公務員は給与こそ低いものの、本当の魅力は、福利厚生と今回紹介する各種の手当が充実していることです。
(公務員の福利厚生の代表格「休暇制度」については、以下の記事をご覧ください)
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特に住居手当が充実しており、後述しますが、毎月27,000円、年間で30万円超を受け取ることができます。年間30万円というのは、非常に大きいですよね!
それに、残業代(正式に「時間外手当」)もしっかり受け取ることができるので、給与は低くても、その他各種手当を受け取ることで、ちょうど良い水準でホクホクすることもできます。
しかし、イマイチ手当について無頓着な職員も多いので、今回は地方公務員の立場で、地方公務員の手当について、これまで書いてきた記事をまとめました。
住居手当
住居手当は、公務員の手当の中で一番恵まれているといっていいものです。先述のとおり、月額28,000円、年間で336,000円を受け取ることができるからです。
もちろん、持ち家は対象にならず、賃借物件のみとなりますし、賃料によって受け取れる住居手当の金額も変動します。
参考までに住居手当の計算式を示すと以下の通りです。
(1)月額家賃が16,100円未満
⇒ 無し
(2)月額家賃が16,100円以上27,000円未満
⇒ 月額家賃ー16,000円
(3)月額家賃が27,000円以上
⇒(月額家賃-27,000円)÷2+11,000円(最大28,000円)
注意は共益費は対象外というところなので、私は大家さんと交渉して、共益費もすべて賃料に算入してくれるようお願いしました。
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持ち家手当
先ほどの住居手当は非常にお得ですが、かつては自分のマイホームに対しても手当がもらえていました。それが、持ち家手当と呼ばれるものです。
とはいえ、もはや絶滅危惧種と言っていいものであり、私の自治体は当然廃止されています。
そりゃあ、自分の財産に公金があたるなんて、今時ありえませんが、かつては受け取れたことが驚きであり、正直羨ましいですね。
現在、全国の自治体でこの持ち家手当が残っているのは、都道府県庁ではゼロですが、政令指定都市では、神戸市がまだ残存しています。
また、自治体によっては、毎月1万円以上の持ち家手当(年間で12万円以上!)も受け取れる自治体もあるので、羨ましい限りですね。
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時間外手当
住居手当とならんで、公務員の「第二の給与」と呼んでも過言ではないのが、この時間外手当です。
実力主義ではなく、年功序列の公務員が稼ぐ手段といえば、残業をして時間外手当を稼ぐぐらいしか方法がありません。
とはいえ、かつて埼玉県庁の職員が時間外手当を荒稼ぎして、年収1500万円を実現したこともありましたので、バカにはできません。
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管理職手当
時間外手当の弱点は、結局自分の時間を切り売りすることにすぎないのですが、この管理職手当は、その「ポスト」に対して支払われるものです。
管理職手当ですから、主に課長補佐クラス以上からもらえる手当です。しかし、その手当と引き換えに当然、時間外手当がもらえなくなります。
また、地方公務員は国家公務員のように多額の管理職手当がもらえるわけではありませんので、ぶっちゃけ、そんなに羨ましくはないです。
とはいえ、残業無しで固定でもらえる点が魅力ですよね。
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退職手当
公務員は給与こそ低いものの、退職金で全て取り返せるというのは、今や昔・・
むしろ、行政改革で削減対象となっているのが、退職手当です。
この退職手当の削減と同じく始まっているのが、公務員の定年延長です。現在の60歳定年が65歳に延長するする方向で動いています。
参考記事
人事院は現在60歳の国家公務員の定年延長に向け、60歳以上の給与を50歳代後半の水準から3割程度減らす方針だ。8日に国会と内閣に申し入れる。政府は定年を2021年度から3年ごとに1歳ずつ上げ、33年度に65歳とする方向で検討する。段階的な引き上げに備え、人件費を抑える。60歳の定年が多い民間企業でも公務員の基準を参考に見直しが広がる可能性がある。
もちろん、60歳の給与水準のままであれば、高い給与水準で嬉しいのですが、そうなるわけもなく、3割削減される予定のようです。
どうやら政府は、公務員から老後というものを無くしたいのかもしれませんね。
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余談ですが、退職手当と同じく、年金も厚生年金に統合する改悪をしていますので、今後はより一層、公務員の待遇の締め付けが厳しくなる可能性が高いです。
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育児手当
公務員も育児休暇中は無給となりますが、その間は共済組合から育児手当が支給されます。
案外知らない職員が多い(特に男性職員)がいますので、下記の記事で紹介しています。
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投票事務の手当
通常もらえる手当とは異なりますが、衆議院選挙、参議院選挙、統一地方選挙など、各種選挙があるときに、投票事務に従事することで受け取れる手当です。
拘束時間が無いだけで、やることはほとんど無いので、暇つぶしができる職員には向いている手当ですね。
ただ、ひたすら座って投票用紙を交付したり、名簿を確認するのは、眠すぎてしんどいのが正直なところです。
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これからは手当が廃止される時代が来る?
ここまでは、地方公務員の第2の給与である手当について紹介しましたが、政府も自治体も財政状況が悪いことから、公務員の各種手当について削減のメスが入る可能性が高いです。
かつてはどの自治体にもあった持ち家手当が削減されたように、住居手当も削減され、もしくは廃止される可能性もあります。よって、手当に頼った人生設計は非常に危険だということですね。
これからは地方公務員も自己責任で、自分の将来設計をしていくことが求められていくと思います。
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待遇がカットされつつある公務員ですが、それでもやっぱり公務員の福利厚生は非常に恵まれていますので、公務員は続けながら、投資や副業などで副収入を確保する努力が重要でしょう。