すっかり年末が近づいてきて、今年も終わりが見えてきましたが、公務員のみなさまはインフルエンザ予防接種を終えましたか?
「仕事が忙しくて病院に行く時間がない」
「予防接種してもインフルエンザにかからない保障がない」
いろんな理由をつけて、インフルエンザの予防接種に行っていないとしたら、それって凄く損ですし、不特定多数の住民と接する公務員としてヤバいですよ!
それに、一般的には10割負担となっているインフルエンザの予防接種ですが、公務員なら一定額の助成が、各都道府県の共済組合から出ます。
そこで、今回はそもそも、なぜインフルエンザ予防接種は10割負担となるのか?という理由について解説します。
そのうえで、共済組合のインフルエンザ予防接種の助成額を都道府県別に一覧で紹介して、具体的にインフルエンザ予防接種の助成金申請方法を解説します。
インフルエンザ予防接種の医療費は10割負担
公務員なので常識だと思いますが、日本の医療制度において、75歳以上は1割自己負担ですが、70歳から74歳は2割自己負担となり、それ以下はみんな3割自己負担で済みます。
それでいて、高額療養費制度があるので、基本的に多額の医療費負担を抑えることができるので、安心して医療サービスを受けることができるわけですね。
しかし、今回のテーマであるインフルエンザ予防接種については、全額自己負担となりますので、10割自己負担です。
「え、予防接種なのに10割自己負担なの?」と思う方もいるかもしれませんが、このインフルエンザ予防接種については、法定接種(定期接種)ではないんですね。つまり、任意接種というわけです。
確かに予防接種によって、インフルエンザの発症を6割から7割は防げることは、科学的にも証明されているのですが、あくまでも任意接種なので、全額自己負担なのです。
なお、定期接種の実施主体は市町村ですので、基本的に自己負担ゼロです。「B型肝炎ワクチン」や「水痘(みずぼうそう)ワクチン」がそれに該当しますね。
なぜインフルエンザの予防接種の料金は全国バラバラ?
インフルエンザの予防接種に係る費用は、全国的に3,000円台が多いですが、病院によってはバラバラです。
ここで、インフルエンザの予防接種でよくある素朴な疑問として、なぜ、インフルエンザの予防接種は病院単位でバラバラなのか?ということです。
そもそも、医療には、保険が適用される「保険診療」と、保険が適用されない「自由診療」の2種類に分かれます。
一般的に、発熱や腹痛で病院に行く場合は、保険診療となりますが、その際に発生する医療費の決まり方は、診療報酬点数表に基づいて決められています。
診療報酬点数表上は、1点ごとに×10円で医療費が発生します。たとえば、点数表、200点だったら、200点×10円=2,000円が医療費となり、そのうち現役世代であれば、3割負担の2,000円×3割=600円で済むというわけです。
なお、この医療費を決める診療報酬点数表は、「中央社会保険医療協会」の審議を踏まえて、2年に一回改定されます。
一方で、保険診療外の自由診療は、全額自己負担です。有名なのが、美容整形ですね。鼻を高くする、顎を削るといったものは、保険は効かないので、100万以上の多額の費用がかかります。(なお歯列矯正やレーシック手術についても自由診療の範囲となります。)
先ほどの保険診療は、税金が投入されて自己負担が1割から3割で済むため、病院は、一定の範囲内でしか医療費を請求できませんが、自由診療については、全額自己負担なので、病院は自由に医療費を設定できるわけです。
ということで、自由診療に該当するインフルエンザの予防接種は、病院で自由に医療費を決めていいので、病院でバラバラというわけですね。
一応、年のために言うと、費用が安いインフルエンザの予防接種といっても中身は同じですし、逆に高い費用払ったからといって、効きが良いというわけではありませんので、どうせならば、近くでも最も安い病院で予防接種を受けたいですね。
都道府県別のインフルエンザ予防接種の助成金額一覧
インフルエンザの予防接種について、公務員の場合は所属している共済組合から予防接種にかかった費用について助成が出ます。
予防接種を行った組合員(公務員)とそのご家族が対象となり、1人につき、年1回まで助成が出るのが一般的なようです。(※栃木県市町村共済組合にように、共済組合によっては、2回まで助成が出る場合もあります)
ただ、この助成金額については、都道府県ごとの共済組合によって異なります。そこで、都道府県共済組合別にインフルエンザ予防接種の助成金の上限額を一覧にまとめてみました。
共済組合名 | 助成上限額/1名・1回につき |
北海道都市職員共済組合 | 2,000円 |
青森県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
岩手県市町村職員共済組合 | 不明 |
宮城県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
秋田県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
山形県市町村職員共済組合 | 不明 |
福島県市町村職員共済組合 | 不明 |
茨城県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
栃木県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
群馬県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
埼玉県市町村職員共済組合 | 2,000円 |
千葉県市町村職員共済組合 | 不明 |
東京都市町村職員共済組合 | 不明 |
神奈川県市町村職員共済組合 | 不明 |
新潟県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
富山県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
石川県市町村職員共済組合 | 不明 |
福井県市町村職員共済組合 | 不明 |
山梨県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
長野県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
岐阜県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
静岡県市町村職員共済組合 | 不明 |
愛知県市町村職員共済組合 | 2,000円 |
三重県市町村職員共済組合 | 不明 |
滋賀県市町村職員共済組合 | 不明 |
京都府市町村職員共済組合 | 1,000円 |
大阪府市町村職員共済組合 | 不明 |
兵庫県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
奈良県市町村職員共済組合 | 不明 |
和歌山県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
鳥取県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
島根県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
岡山県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
広島県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
山口県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
徳島県市町村職員共済組合 | 不明 |
香川県市町村職員共済組合 | 1,700円 |
愛媛県市町村職員共済組合 | 1,500円 |
高知県市町村職員共済組合 | 1,500円 |
福岡県市町村職員共済組合 | 不明 |
佐賀県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
長崎県市町村職員共済組合 | 1,500円 |
熊本県市町村職員共済組合 | 1,000円 |
大分県市町村職員共済組合 | 2,000円 |
宮崎県市町村職員共済組合 | 不明 |
鹿児島県市町村職員共済組合 | 不明 |
沖縄県市町村職員共済組合 | 不明 |
一部、ネット上に公表していない共済組合がありましたが、平均的に1,000円助成が一般的なようですね。
一方で、北海道、愛知県、大分県については2,000円助成してくれるということで、仮に予防接種にインフルエンザ予防接種に3,000円かかっても、実質1,000円でできますので、非常にありがたいですね。
インフルエンザ予防接種の助成を受けるために必要な書類
では、実際にインフルエンザ予防接種に必要な申請書類等について解説します。(今回は参考に山梨県市町村職員共済組合の様式を使って説明します。)
必要書類としては、各共済組合ごとの「インフルエンザ予防接種助成金申請書」が用意されており、様式自体は各課の庶務担当が配布してくれるか、もしくは人事課が配布してくれると思います。
そして、「インフルエンザ予防接種助成金申請書」と一緒に、予防接種をした医療機関の発行した「領収書」を添えて、各課の庶務担当に提出するだけです。
なお、領収書には、しっかり予防接種の金額が記入されているか確認をしてくださいね。
その後、各自治体の人事課が取りまとめて、最終的に各都道府県の共済組合に提出されることで、インフルエンザ予防接種の助成金については後日、給与振込口座に振り込まれるという流れです。
いかがでしたか?インフルエンザの予防接種自体は、すぐ終わります。ご家族や職場の同僚、住民のみなさんに迷惑をかけてからでは遅いです。
それに、インフルエンザで休むことで、貴重な有給を使ってしまったり、インフルエンザの治療に必要な医療費を使ったり、はたまた、重篤化するリスクもあります。
そのように考えると、インフルエンザの予防接種は、掛け捨て型の保険料と思えば、割とコスパが良いのではないでしょうか?それに、助成金も出るのでしたら、やっておいて損はないですよね。
インフルエンザが本格大流行する前に、早目の予防接種をおすすめします!
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インフルエンザ予防接種の助成だけでなく、共済組合によっては「出産費附加金」「出産祝金」「結婚祝い金」がもらえる制度があります。このように共済組合の制度を知ることは、非常にお得なのです。

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