この記事を読んでいるということは、奥さんの妊娠がわかった、もしくは出産を控えている職員の方だと思います。
それに育児休暇中は、給料は支給されませんが、それでも心強いのが、今回紹介する育児休業手当金(育児手当)を受け取れます。
特にこれからは男性も積極的に育児に協力する必要があるので、休暇制度や給与制度についても、しっかりサポートできるものとなっています。
しかしながら、男性地方公務員の育児休暇取得率は、女性公務員がほぼ100%にもかかわらず、男性公務員は3.6%程度です。これは深刻な問題ですね。
その背景には、公務員の働き方の問題もありますが、出産・育児に関する制度についての理解が少ないのではないかと思います。
そこで、今回は育児休暇制度と育児手当といった子育てに役立つ制度を紹介します。
いつでも使える年次有給休暇

妻が妊娠したかもしれないけど、まだ育児休暇は使えない・・どうしよう

そういう場合は、思い切って年次有給休暇を使いましょう
妻の妊娠したかもしれない、もしくは最近、妊娠検査薬でわかったばっかりという場合は、育児休暇はまだ使えません。
それに、職場に言うのはまだ抵抗があるという場合もありますよね。そこで、育児休暇ではなく、まずは年次有給休暇を使いましょう。年次有給休暇は、最大40日間使うことができますね。
もちろん、職場によって年次有給休暇を使いづらいというものもあるかもしれませんが、基本的に職員が自由に理由を問われることなく使える権利ですので、遠慮せずに使いましょう。
特に初めての妊娠の場合は、奥さんも不安だろうし、しっかりメンタル面をサポートして、病院にもついていってあげましょう。
出産前後の8週間に使える休暇制度

妻の出産予定日の8週間前だけど、どんな育児休暇があるの?

「出産休暇」と「育児参加休暇」が使えますよ
ここから紹介するのは、公務員の「特別休暇」に該当するものです。
「出産前後」の特別休暇制度は、「出産休暇」と「育児参加休暇」の2パターンです。
出産休暇 | 出産時の付き添い、出産前の準備や産後の手続きなどに使えます。 |
育児参加休暇 | 子どもの養育のために使えます。 |
また、休暇できる期間は以下のとおりです。対象期間内で、1日単位はもちろん、時間単位でも取得できます。
給与 | 対象期間 | |||||
出産前 8週前 | 出産前 2週前 | 出産 | 出産後 2週前 | 出産後 8週前 | ||
出産休暇 | 有 | 3日以内 | ||||
育児参加休暇 | 有 | 5日以内 |
よって、出産休暇で3日休んで、育児参加休暇で5日休んで、合計8日休むことができます。給料も満額でますので、安心して出産に立ち会いましょう!
男性も取得できる育児休暇

無事出産したけど、妻と一緒に子育てしたいけど休める?

もちろん、女性職員も同様に、子供が3歳になる前日まで休めますよ!
公務員の場合、女性職員と同じく、男性職員も育児休暇を子どもが3歳になる前日まで使えます。
なので、3歳まで休む必要がなければ、実際に産後の2週間だけ、1カ月間、1年間だけという、さまざまなケースで休暇を取得できます。
育児休暇中は給料もらえないけど、育児手当が1年間出る!

休めるのはわかったけど、その間給与ってもらえないんでしょ?

大丈夫です。給料は出ませんが、「育児休業手当金」(通称:育児手当)を受け取ることができます。
育児休業中の不安の一つが、休んでいる間の給与保障です。給料は支給されませんが、取得日数に応じて、「育児休業手当金」を受け取れます。この育児休業手当金は、所属している公務員共済組合から、支給されます。
育児休暇の支給額
1日から180日まで | 1日につき標準報酬の日額(標準報酬月額の1/22の額。10円未満四捨五入。)の67%の額(円位未満切捨て)が支給されます。 |
181日から365日まで | 1日につき標準報酬の日額(標準報酬月額の1/22の額。10円未満四捨五入。)の50%の額(円位未満切捨て)が支給されます。 |
(標準報酬月額とは?) 4月から6月までの給与をもとに、毎月の給料の月額を区切りのよい幅で区分したものを、標準報酬月額といいます。 これを標準報酬制といいますが、自分の標準報酬月額を知りたければ、標準報酬表を確認しましょう!
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【支給額の例:標準報酬月額が30万円の場合】
育児休業開始から180日間
1日につき、(30万円×1/22)×0.67=13,640×0.67=9,138円
残りの期間(185日間)
1日につき、(30万円×1/22)×0.5=13,640×0.5=6,820円
つまり、1,644,840円+1,261,700円=2,906,540円が支給されます。
満額でないところが、ちょっと痛いですが、その場合は、冒頭に紹介した年次有給休暇を利用しましょう。そうすれば、満額支給されますので、安心ですね。
また、育児手当は1年間だけであり、それ以降は無給になるものの、籍は公務員として置くことができます。
育児手当期間が延長される「パパ・ママ育休プラス」とは?
育児手当は、基本的に1年間限定ですが、妻と一緒に夫もに育児休業を取得する場合、育児休業手当金の支給期間が2か月延長されて、「1歳2か月まで」に延長されます。
これが「パパ・ママ育休プラス」です。
これを使う要件は、
1 配偶者の一方が先に育児休業を取得している。 2 もう一方の配偶者は、子が1歳に到達した日の翌日までに育児休業を開始する。 3 育児休業手当金の支給期間は、父親は最長1年、母親は産後休業と育児休業をあわせて最長1年の期間以内。 |
となっています。
ただし、単純に2ヶ月休みが伸びるわけではなく、休み取得できる期間が2ヶ月広がるということです。ここを勘違いしないように気を付けましょう。
使い方としては、先に奥さんが育児休暇を取得して、その後に取得するといった感じでしょうね。この制度はもちろん、男性の育児参加を促すものですので、この制度を使ってなるべく長く子育てすると良いでしょう。
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実際に育児休業手当金の申請方法について、別記事でも言及していますので、興味がある方はご覧ください。

育児休暇中は、共済掛金が免除される

育児手当で収入は保障されても、毎月の共済掛金(社会保険料)の負担が辛い・・・

大丈夫です。育児休暇中は、免除されますよ
産前産後休暇中と、育児休暇中は、申し出により共済掛金は免除されます。免除されても、不利になったりはしませんので、ご安心ください。
育児休暇のデメリットは、各種手当の不支給と税金
育児休暇中の所得保障制度である育児手当ですが、給料の満額が支給されません。
それに加えて、通勤手当、住居手当といった各種手当が支給されません!
特に住居手当が支給されないのは、賃貸派には非常につらいです・・・。
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また、共済掛金は免除されますが、税金はしっかりとられます。特に住民税は去年の実績でかかるので、仮に残業を多くしていて所得が高かったら、マジで地獄です・・
税金対策として、今のうち、節税する知識を持っておくと良いでしょう。
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今回紹介した育児休暇だけでなく、その他の休暇制度も充実しているのが、公務員の強みです。給与が低い分、福利厚生は抜群ですよね。