仙台市役所も新設した「不妊治療休暇」がある自治体は? 取得方法や休暇期間は? 

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人口減少が進む日本では、子育て支援は重要政策ですが、その中でも不妊治療を行う夫婦を支援する制度は最も重要だと思います。

不妊治療を受けるために取得できる「不妊治療休暇」を整備することは重要だと思います。まだまだ一部の自治体ですが、広がりつつあります。

そこで今回は、まだまだ珍しい不妊治療休暇を実施している自治体をまとめました。また、不妊治療休暇を取得するために必要な手続きについても解説します。

 

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仙台市も不妊治療休暇を創設へ

まだまだ少ない不妊治療休暇ですが、仙台市も創設する方針となりました。政令指定都市では初めてで、東北では南相馬市に続いて2例目です。

 

不妊治療休暇創設へ、仙台市

仙台市は2019年度から、市職員が不妊治療を受けるための休暇を取れる制度を創設する。最長6カ月間、男女とも取得可能で年齢制限も設けない。治療と仕事の両立に悩む人が多い中、職員が働き続けられる環境を整え、離職を防ぐ狙い。同様の制度は福島県南相馬市、静岡県島田市、鳥取市、熊本市などが導入、広がりをみせている。

仙台市労務課によると、制度の対象は市の正職員で、医師の診断書と治療計画の提出を求める。休暇期間は無給だが、治療のペースに合わせて分割して取得できるほか、時間単位で取得し時短勤務のような形で働くこともできる。

介護休暇と併せ名称を「家庭支援休暇」とする。

 

しかし、まだまだ不妊治療休暇を導入している自治体は少ないのが現状です。

 

不妊治療休暇を導入している自治体は少ない

不妊治療休暇を導入している自治体は少ないのが現状です。先ほどの仙台市の含めて、不妊治療休暇を導入している自治体は以下の通りです。

 

不妊治療休暇を導入している自治体

・仙台市
・南相馬市(福島県)
・島田市(静岡県)
・鳥取市
・熊本市
・甲賀市(滋賀県)
・越前市(福井県)
・加東市(兵庫県)
・竹田市(大分県)

私が調べた限りなので、見つけたら随時追加しますが、それでも全国的にはまだまだ整備が進んでいないのが現状のようです。

公務員の職場は福利厚生制度は充実している方ですが、そんな公務職場でもまだまだ浸透していないようです。

 

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不妊治療休暇の基礎知識

不妊治療休暇とは、文字通り、不妊治療を行う場合に取得できる休暇制度です。

参考に不妊治療休暇を導入している甲賀市の「甲賀市職員の勤務時間、休暇等に関する条例」を見てみます。

 

(不妊治療休暇)

第15条の3 不妊治療休暇は、職員が不妊の治療を受けるため、勤務しないことが相当であると認められる場合における休暇とする。

2 不妊治療休暇の期間は、継続する治療ごとに、通算して6月を超えない範囲内で医師が指定する期間内において必要と認められる期間とする。

3 第15条第3項の規定は、不妊治療休暇について準用する。

 

※第15条第3項の規定
3 介護休暇については、甲賀市の職員の給与に関する条例第25条の規定にかかわらず、その勤務しない1時間につき、同条例第24条に規定する勤務時間1時間当たりの給与額を減額する。

 

どの自治体も同様の取り扱いですが、不妊治療休暇は原則「無給」です。そのうえで、休める期間は最大で「6ヶ月」です。休暇は1時間単位で取得することもできますので、柔軟な対応ができます。

また、不妊治療休暇を利用する場合は、医師の診断書や不妊治療の計画書を事前に入手しておく必要があります

 

公務員の休暇制度については、基本的に「勤務時間、休暇等に関する条例」に基づいて決められますので、不妊治療休暇についても、先ほどの「勤務時間、休暇等に関する条例」を改正する形で新設されます。

仙台市のように、不妊治療休暇という名称ではなく、介護休暇とあわせて「家庭支援休暇」という形で休暇制度を整備している場合もあります。

不妊治療休暇が創設された背景は?

不妊治療休暇が創設された背景には、当然ながら不妊で悩む夫婦が存在していることは言うまでもありません。

現在の日本では晩婚化がすすみ、高齢出産も当たり前になりつつあります。近年の結婚や、出産年齢が上がっていくにつれて、特定不妊治療を受ける方の数が増加しています。

 

日本産科婦人科学会のデータによれば、少し古いですが不妊治療の実施件数は右肩あがりです。

 

これまでは不妊治療休暇のような制度がありませんので、有給を利用するほかありませんでした。しかし、不妊治療は長期に及ぶ可能性もあるため、やむなく不妊治療離職につながる場合もありました。

だからこそ、今回の仙台市の不妊治療休暇の創設の動きは、非常に評価できます。

このように、社会的ニーズと職員が働きやすい労働環境を整える観点からも、不妊治療休暇はすべての自治体に求められると思います。

 

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