これからの公務員をとりまく環境は厳しくなる一方です。特にこれまで守られてきた雇用環境が行政改革の名のもとに厳しくなる傾向があります。
具体的には、「年金削減」「退職手当削減」「人員削減」です。
この公務員が直面する3つの危機について、しっかり理解していますか?
危機その1「年金削減」
まさか知らないと思いますが、公務員専用の年金制度であった共済年金が、一般サラリーマンの年金である厚生年金と統合されました。
共済年金は、厚生年金以上にお得で優遇されており、そのため、公務員特権であると長年非難されていましたが、とうとう厚生年金と合体するハメになりました。
もう過去の話となって、共済年金の優遇措置ですが、ふりかえるとまず、かつては職域加算という形で上乗せされていました。よって、公務員は老後において、国民誰でも加入できる国民年金と、公務員専用の共済年金、そして職域加算の3階建てとなっておりました。
この職域加算は、一生涯もらえるので、非常に長生きするほどお得だったのです!
しかし、共済年金が厚生年金と統合したため、この職域加算が廃止されました。なお、職域加算が廃止された代わりとして、「年金払い退職給付」が始まりました。
なので完全に廃止されたわけではありませんが、職域加算が一生涯だったのに対して、年金払い退職給付は、有期です。(10年もしくは20年)
そのうえ、毎月払う保険料が、厚生年金と同レベルとなったため、保険料が値上がりしてしまいました。
つまり、もらえるお金は減って、払うお金は増えてしまったわけです。公平性を実現するという建前で残念ながら失うこととなりました・・・。
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危機その2「退職手当削減」
年金が減っても、公務員は退職金が2,000万円以上あるから、一応安心!と思っていませんか??とんでもありませんよ。
この退職手当の削減は、過去記事でも注意喚起していましたが、振り替えます。
公務員の退職金である退職手当については、全国平均で約2000万円といったところです。その退職手当ですが、国家公務員では78万円の削減となりました。
確かにまだすべての自治体に波及していませんが、この流れが自治体に及ぶのも時間の問題かもしれません。これも共済年金と同じく官民格差の解消の名のもとに引き下げられる可能性が高いのです。ちなみに、岡山県はすでに引き下げています。
県職員の退職手当を3.4%減額 官民の格差解消、4月以降に適用
岡山県は15日、県職員の退職手当を平均3・4%減額する条例改正案を2月定例県議会に提出すると発表した。政府が国家公務員の退職手当を減額したことに伴う措置。4月以降の退職者から適用する。
退職手当は月給や勤務年数に応じた基本額に調整率を掛けるなどして算出。今回の改正では調整率を3・8%下げる。2016年度退職手当の支給額(1人当たり平均2298万4千円、勤続20年以上)と比べると平均で78万1千円の減額となり、同年度の支給実績ベースで約7億円の削減効果があるという。
併せて、知事ら特別職の退職手当もそれぞれ3・4~5・8%引き下げる。
国家公務員の退職手当の減額は、ほぼ5年ごとの人事院調査を踏まえ、政府が民間企業との格差解消のため実施。自治体も国に準じるよう求めている。
(2018年02月15日 11時49分 更新)
この流れは全国的に広がっていくので、心して備えることが必要です。
参考記事


危機その3「人員削減」
年金が下がり、退職手当が下がり、次は給与か?と思うかもしれませんが、ここ最近の基本給は上がりつつあります。しかし、それ以上に心配なのが、そもそも人員が削減される可能性が高いということです。
それが、最近のニュースとなっていた水道民営化です。水道事業なんてどこも赤字ですが、仮に自分の自治体の水道事業が民営化されれば、当然、人員削減は待ったなしです。
水道事業だけではありません。戸籍、住民票といった窓口サービスも本格的にアウトソーシングされる可能性が高いのです。この背景には、地方独立行政法人法の一部が「改正」によって、規制されていたものが、可能となったことが大きいのです。
今後、行政改革の名のもとに、アウトソーシング、民営化が加速していくことは止められません。各人が対策を講じていくサバイバル時代に突入したといえるでしょう。
参考記事


以上のような、「年金削減」「退職手当削減」「人員削減」に立ち向かっていくには、一人ひとりが職場に頼らない、強い経済的体力をつけていく必要があります。
最も経済的体力をつけていく有効な方法は、節約、投資、副業です。その方法は過去の記事を参考二していただければ良いと思います。
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