ネットの情報はデマばかり!特にヤフー知恵袋はひどい!
投票事務は儲かる!公務員利権だ!という誤った情報がありますが、フェイクニュースですよ。やはり、1次情報に当たらないとダメです。
実は私は投票事務を何度もしており、それも投票事務の責任者である投票管理者を務めております。(投票管理者については後述)
そこで、解散総選挙ということもあり、選挙が近づいているので、今回は投票事務における日当について正しい知識を紹介します。
投票事務で34,000円の日当はデマ情報もしくは昔の話
選挙事務の裏側に迫る。投票所の事務作業日当3万4千円は高いか安いか – エキレビ!(1/3)
【選挙事務はこんなお仕事】─── 投票事務って結構な日当が出る、というのをよく耳にするのですが、実際のところ、いくらもらえるんですか?職員A 地域やそもそもの役職によっても違うとは思いますが、僕の場合、投票所作業での日当は約34000円になります。
34,000円???いつの時代だよ!
って感じです。おそらく昔はそうだったかもしれませんが、現在はありえません。現役公務員の私がそういうのだから間違いありません。
今回はそのうちで、投票所の最高責任者であり、最も日当が高い投票管理者で比較します。
ちなみに投票管理者とは、投票所の責任者として、すべての投票事務を円滑に進める非常に責任がある立場です。
各選挙ごとに置かれ、その選挙の投票に関する事務を行います。
具体的には、投票用紙の交付、代理投票の許容、選挙人の確認、投票箱の開票管理者への送致、投票所の秩序維持などです。
投票管理者は、その選挙の有権者の中から、市区町村の選挙管理委員会によって選任されます。
投票事務の日当は法律で定められている
そもそも、公務員の給与は投票事務に限らず、すべて法律で決まっているのです。
国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律
(選挙長等の費用弁償額)第十四条 選挙長(衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙にあつては選挙分会長、参議院合同選挙区選挙にあつては選挙長及び選挙分会長。以下この条において同じ。)、投票管理者、開票管理者、投票立会人、開票立会人及び選挙立会人が職務のために要する費用の額は、次に掲げるとおりとする。一 選挙長 一日につき 一万六百円二 投票所の投票管理者 一日につき 一万二千六百円三 共通投票所の投票管理者 一日につき 一万二千六百円四 期日前投票所の投票管理者 一日につき 一万千百円五 開票管理者 一日につき 一万六百円六 投票所の投票立会人 一日につき 一万七百円七 共通投票所の投票立会人 一日につき 一万七百円八 期日前投票所の投票立会人 一日につき 九千五百円九 開票立会人 一日につき 八千八百円十 選挙立会人 一日につき 八千八百円
さっそく答え出ましたね。日当の基準額は12,600円です。
投票所の最高責任者にして、非常にストレスフルな投票管理者でも12,600円です。
トップが12,600円なのだから、それ以下の職種の人は12,600円以下ということになりますね。
ちなみに投票は朝7時から始まり、終わるのは夜の8時です。つまり、13時間拘束されて、最高クラスの投票管理者でも12,600円ですよ。
ということは、拘束時間で割り戻すと給与は一時間あたり969円ほど、時給は1000円以下です。それに加えて、所得税も源泉徴収されます・・・!
東京都や大都市の一部は上回るけれど・・・
確かに東京都や横浜市のような、人口の多い豊かな自治体ならば国の基準とする法律以上に投票事務の日当を払っています。
東京都渋谷区:2万円
横浜市:13,000円
しかし、札幌市、名古屋市、大阪市はすべて、国の法律の準拠して、投票管理者の給与は12,600円でした。
ということで、最近この事実がじわじわ浸透してきており、昔ほど投票事務の旨みがなくなってきました。
とはいえ、個人的には投票事務ののんびりした雰囲気と緊張感が交じり合った微妙な雰囲気が好きなので、投票管理者は続けるつもりですよ。収入目的で投票事務をやると、割りに合わない、ということです。