会計年度任用職員が2020年から始まりますが、やはり本ブログで気になるのは会計年度任用職員の方々は副業ができるのか?という点です。
同じ公務員とはいえ、もともとは臨時職員ということで、安定しているとはいえ、手取り給与は少し心細いところがありますよね。これからは公務員の給与や福利厚生が不安定になっていくうえで、何かしら人生の備えとして副収入源を作っていくことは有効ではないでしょうか。
そこで、今回は会計年度任用職員の方々が副業ができるのか?また、適している副業について書いていきたいと思います。
正規公務員は副業は禁止
まず前提として、正規公務員は地方公務員法38条において、副業をすることを制限されているんですよね。地方公務員法38条を確認してみます。
(営利企業等の従事制限)
第三八条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
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会計年度任用職員も「フルタイム」は副業禁止
ここで、会計年度任用職員は「フルタイム」と「パートタイム」に大別できます。
フルタイムは文字通り、朝8時30分から午後5時15分までの7.45時間勤務する職員のことを指しますが、パートタイムはそれ未満の勤務時間の職員を指します。
ここで結論として、フルタイムの職員については、正規公務員と同じく「職員」と扱われるので、職員と同じく地方公務員法38条の営利企業の従事制限が適用されますし、先ほどの公務員としての服務規定も適用されます。
ここで、会計年度任用職員の指針となる総務省が示す「マニュアル」を見てみます。
服務及び懲戒
会計年度任用職員については、新地方公務員法上の服務に関する次の各規定が適用され、かつ、懲戒処分等の対象となることを踏まえ、公務運営の適正確保の観点から、関係規定の適切な運用に留意ください。
・ 服務の根本基準(新地方公務員法第30条)
・ 服務の宣誓(新地方公務員法第31条)
・ 法令等及び上司の職務上の命令に従う義務(新地方公務員法第32条)
・ 信用失墜行為の禁止(新地方公務員法第33条)
・ 秘密を守る義務(新地方公務員法第34条)
・ 職務に専念する義務(新地方公務員法第35条)
・ 政治的行為の制限(新地方公務員法第36条)
・ 争議行為等の禁止(新地方公務員法第37条)
・ 営利企業への従事等の制限(新地方公務員法第38条)
フルタイムの会計年度任用職員については、正規公務員と同等の服務規定が課されます。なので、会計年度任用職員といっても、副業をするときは注意が必要です。
パートタイム会計年度任用職員は副業OK!
フルタイムは正職員と同じく、副業については厳しい制約を受けるものの、実はパートタイムについては副業をしてもOKなのです。ここで、もう一度総務省の「マニュアル」を見てみます。
パートタイムの会計年度任用職員については、営利企業への従事等の制限の対象外としましたが、職務専念義務や信用失墜行為の禁止等の服務規律が適用となることに留意ください。なお、勤務時間の長短にかかわらず、パートタイムの会計年度任用職員に対し、営利企業への従事等を一律に禁止することは適切ではありませんが、例えば、職務専念義務に支障を来すような長時間労働を行わないよう指導することなどは考えられます。
総務省も認めているように、公務員でもパートタイム会計年度任用職員は、副業OKなのです!
公務員というブランドを、会計年度任用職員とはいえ持ちつつも、ダブルワーク、副業ができるというのはかなりアドバンテージがあるのではないでしょうか?
確かにフルタイム会計年度任用職員は、正職員と同じく共済年金に加入できるのに、パートタイムは加入できないというハンデがあるものの、副業ができるのはマジで有利です。
なぜ、パートタイムは副業OKなのか?
ここで気になるのは、なぜパートタイムだけ副業を許可したのか?という点ですが、これもしっかりマニュアルに示されています。
パートタイムの会計年度任用職員については、勤務時間が限られており、極めて短い時間のみ公務に従事する場合があり得ること、また、これらの職員の生計の安定、多様な働く機会の確保のためにも、柔軟な対応が必要であること等から、一律に制限はしないこととしたものである。
つまり、総務省もパートタイムの場合は、その報酬だけでは生活することが困難であると認めているわけです。だからこそ、別の収入源を持つべきと主張しているわけです。なので、むしろパートタイム会計年度任用職員は、副業を積極的にやっていくべきなんですよね。
パートタイム職員は副業に有利!
パートタイム会計年度任用職員は、合法的に副業もできますし、一方でフルタイムと比べて、早く退庁できますので時間も余裕があります。
つまり、副業で重要な材料である「時間」的余裕というのが、アドバンテージです。また、公務員ということで、専門的知識も持っており、それを活かしたブログや講演会、著作といったことも可能性としてあります。
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これからは、公務員も副業をしていく時代です。その先駆けとして、パートタイム会計年度任用職員は大きな可能性があるといえますね。
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副業に関する情報は下記の記事にまとめていますので、興味がある方はご覧ください。
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会計年度任用職員はパートタイムとフルタイムに分かれますが、下記の記事で違いを解説しています。