定期的に出てくる公務員が不動産投資で荒稼ぎして職場にバレて懲戒処分となる事件ですが、本日は仙台市職員がアパート経営をして、驚きの年600万円の収入を得ていたようです。
しかし、公務員が不動産投資をすること自体は、「一定の範囲内」であれば別に違法ではありませんが、処分されてしまったのは、「一定の範囲内」を超過したことが原因でしょう。
とはいえ、なぜ不動産投資していることがバレたのでしょうか?
なぜ仙台市職員のアパート経営がバレたのか?
まずは、今回の仙台市職員の不動産投資事件を振り返ります。
アパート経営で副業、仙台市職員を減給処分 年600万円超稼ぐ
仙台市は8日、不動産賃貸業を実質的に営み、副業を禁止する地方公務員法に違反したとして、市納税部の40代の男性職員を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にした。男性職員は平成20年、市内のアパート3棟を購入し、年間約600万~700万円の賃料収入を得ていた。
市によると、男性職員は「資産運用のつもりだった。副業には当たらないと思った」などと話している。28年3月には、発起人となって不動産会社を設立。母親を代表者に据え、実質的に経営していたという。
昨年7月、職場の上司との会話で発覚した。市は「市民の信頼を損ねたことを深くおわびする。再発防止に努める」としている。
この報道から事件を整理すると、以下のようになります。
当該自治体:仙台市役所 当該職員:40代納税部職員 処分理由:地方公務員法に違反する不動産投資を行ったため 処分内容:減給10分の1(3か月分) |
なぜ、仙台市職員は不動産投資がバレたのか、別の記事でも言及されていました。
副業でアパート経営、年間600万円超稼ぐ 仙台市職員減給処分
市によると、男性職員は平成20~28年、地方公務員法の兼業禁止規定に違反し、同市内で各4室のアパート3棟の賃貸業を営み、年間600万~700万円の収入を得た。28年3月には母親を代表とする株式会社を設立。アパート管理会社との連絡や契約事務に携わるなど、実質的に経営していたという。
職員は「資産運用の手段としてアパートを購入した。役員でなければ兼業禁止にあたらないと思っていた」と話しているという。
所属長との会話の中で兼業が発覚し、昨年7月に人事課に相談した。同課は全職員に注意喚起を促す通知を出した。
つまり、仙台市職員の副業がバレた理由というのは、所属長にアパート経営をしていることをしゃべってしまったためです。
基本的に副業をしていることは、他言無用です。にもかかわらず、同僚でもなく、上司、しかも所属長に話すなんて副業公務員としては言語道断です。完全に悪手といわざるをえません。
公務員でもアパート経営ができる範囲は5棟10室以内
公務員の副業を禁じている人事院規則14-8における人事院通達によれば、公務員が禁止されているのは、「自営にあたる」とされているものです。
自営とみなされるのは、以下の範囲です。
(1)独立家屋の数が5棟以上
(2)区画された一の部分の数が10室以上
(3)土地の賃貸については、賃貸契約の件数が10件以上
(4)駐車台数が10台以上
(5)不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額(これらを併せて行つている場合には、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)が年額500万円以上である場合
これが公務員が自営とみなされる「5棟10室ルール」です。この範囲内であれば、自営ではなく、あくまでも資産運用の範囲とみなされるわけですね。
また、年額500万円以上稼いでても、自営とみなされるのですから、仙台市職員が600万円稼いでいる時点で、完全にアウトというわけです。
公務員が不動産投資を始める理由
地方公務員は、社会的信用もあることから、銀行から融資を引き出しやすい職業と言えます。それゆえ、多額の資金を必要とする不動産投資にも、公務員ならば簡単に参入することができます。
今回処分された仙台市職員も相続ではなく、実際にアパートを購入して不動産投資をしているわけですから、それだけ不動産投資には「うまみ」があるということでしょう。
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過去にも不動産投資で年6千万円を荒稼ぎして懲戒処分(停職6カ月)を食らった職員が宝塚市役所に存在しました。やはり、公務員と不動産投資は相性が良いのでしょうね。
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