時々ある公務員の不祥事のニュースって、なんでこんなにしょぼいんですかね。
今回紹介するのは、岡山県庁の公務員が通勤手当を不正受給していたことがバレたという事件です。しかも岡山県庁は、通勤手当不正受給事件が2度目です!
しかし、その処分内容である「減給10分の1」というのが、具体的にいくら減らされるのか、調べてみました。
事件の概要
まずは、今回岡山県庁で発生した事件を振り返ります。
通勤手当を不正受給 岡山県職員に減給処分
岡山県は26日、7年以上にわたり通勤手当計約41万円を不正受給したとして、保健福祉部の男性副参事(53)を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にした。全額を返還したという。
県人事課によると、副参事は平成23年4月~30年11月、自転車で通勤していたのに、バス利用を装って通勤届を提出し、差額を不正に受け取った。聞き取り調査の結果、発覚した。
人事課は「来年度から定期的な確認をするなど、再発防止に努める」としている。
この職員は7年間の間、不正行為を行っていたようですが、7年でたったの41万円であり、バスを使っているフリをして、実際は自転車で通勤していたというのは、何とも涙ぐましい限りです。
7年間という長期期間において通勤手当をちょろまかしていましたが、岡山県が下した処分内容は、なんとも軽い印象を受けました。
岡山県庁は1年前にも通勤手当の不正受給事件が発生していた!
ちなみに、岡山県庁では通勤手当の不正受給事件は初めてではありません。実は1年前の2017年にも同じように通勤手当の不正受給が起きているのです。
通勤手当52万円を不正受給 岡山県が総括副参事を減給処分
岡山県は30日、虚偽の申告で通勤手当約52万円を不正に受給していたとして、企業局の総括副参事男性(54)を同日付で減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にした。
今回は不正受給額が41万円でしたので、それ以上に不正受給していたのですね。しかも、今回の事件を起こした職員と同じ「副参事」というポストで、同じく50代です。。。
岡山県庁内部のガバナンスが機能していないのではないか、という印象も受けますね。処分内容は今回と同じで減給10分の1(3ヶ月)です。
岡山県の「減給10分の1」って具体的にいくら?
今回の不祥事に対して、岡山県が下した処分の内容というのが、「減給10分の1」を3か月というものです。では、具体的にいくら減額されるのか、みていきます。
今回処分を受ける職員は50代ですので、岡山県が公表している「岡山県の給与・定員管理等」をみてみますと、勤続年数30年の大学卒の場合、月額給与は404,073円ということです。
勘違いする人もいるので、補足しますが、減給10分の1というのは、給料が10分の1になるというわけではなく、給料が10分の1減らされるということです。つまり支給額は10分の9というわけです。
減給10分の1の3ヶ月であれば、約12万円(404,073円×10%×3か月)の減額ということになりますので、41万円不正受給しても、12万円の減給では、差し引きで不正受給した方がお得ということになります。
まあ、今回の事件では不正受給した全額返還したということですが、それでも、バレなければ41万円詐取できたわけです。
なぜ通勤手当の不正受給はバレるのか?
ここで、なぜ公務員の通勤手当の不正受給がバレたのか?という疑問を抱く人もいると思いますが、おそらく、目撃者がいたのではないかと推察できます。
確かに人事課職員や上司、各課の庶務担当でなければ、その職員がバス通勤手当を受給しているかわかりませんが、地方の狭い環境では、簡単に顔がバレますし、疑問を持った職員が人事課に密告したのかもしれません。
いずれにしても、公務員は法に携わる立場なので、この手の不正に対して厳しい人も多いので、バレるのは宿命だったといえます。
通勤手当の金額は距離によって決まる
ここで通勤手当の金額についておさらいします。
通勤手当の金額は、地方公務員の場合は条例や規則で定められています。北海道の場合は通勤手当支給に関する規則で以下のように定められています。
片道 5キロメートル以上10キロメートル未満 | 7,900円 |
片道 10キロメートル以上15キロメートル未満 | 11,900円 |
片道 15キロメートル以上20キロメートル未満 | 15,800円 |
片道 20キロメートル以上25キロメートル未満 | 19,800円 |
片道 25キロメートル以上30キロメートル未満 | 23,700円 |
片道 30キロメートル以上35キロメートル未満 | 26,700円 |
片道 35キロメートル以上40キロメートル未満 | 29,600円 |
片道 40キロメートル以上 | 32,600円 |
北海道の場合は5㎞未満であれば、通勤手当は不支給ですが、片道40㎞であれば最高で月額32,600円支給されるということですね。
通勤手当の不正受給はハイリスクローリターン
今回の事件でわかったように、公務員の通勤手当を不正受給することは、バレるリスクもあるし、バレた場合は懲戒処分の対象となるハイリスクなものです。
それに対して、通勤手当の支給額というのは、数千円という人が大半ですので、あまりお得とは言い切れません。
毎月1万円程度であれば、副業をすれば簡単に稼げます。わざわざ不正に手を染める必要がないのですが、本当に残念なことですね。
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公務員が休職中にプールバイトしている不正が発覚した事件もありました。やはり人目に触れやすいというのはリスクがあるということです。