なぜ厚労省のキャリア官僚は韓国空港でトラブルを起こしたのか?背景には長時間残業か?

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またしても、官僚の名誉を貶める事件が起こりました。厚生労働省のキャリア官僚(賃金課長)が、韓国の金浦空港で空港職員に暴言や暴行を加えようとしたトラブルを起こしました。

冷え込んでいる日韓関係で、ただでさえ日韓関係がギスギスしている外交状況で、しかも、今国会でも問題になっていた不正統計問題の所管官庁である厚生労働省がこのようなトラブルを起こすのは、控えめにいって最低だと思います。

しかし、なぜ、厚労省のキャリア官僚がこのようなみっともない事件を起こしたのでしょうか?そこで、今回はその背景について考えてみたいと思います。

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厚労省官僚の韓国空港トラブル事件を振り返る

まずは、今回の事件について振り返ります。

「韓国人が嫌いだ」韓国の空港で酒に酔い暴言、厚労省課長を更迭

厚生労働省は20日、私用で韓国に渡航中の労働基準局賃金課長(47)がソウルの金浦(キンポ)空港で、空港の職員とトラブルを起こし、警察の取り調べを受けたとして、大臣官房付に異動したと発表した。酒に酔い、暴言を吐いたという。

韓国側の報道によると、課長は19日朝、金浦空港で、酒に酔った状態で搭乗しようとして空港職員に止められた。職員に物を投げつけ、英語で「俺は韓国人が嫌いだ」などと叫んだ。職員らに取り押さえられ、暴行容疑で取り調べを受けた。

課長は既に帰国しており、厚労省が事情を聴いている。同省人事課は「誠に遺憾であり、おわび申し上げる」とコメントした。

 

報道では、このキャリア官僚はお酒に酔っていたため、トラブルを起こしたとなっていますが、本人は酔っていないとのことです。

 

厚労省課長が韓国の空港で職員とトラブル 取り調べ 更迭

厚生労働省の課長が韓国に旅行中、空港の職員とトラブルになり、警察から取り調べを受けたとして更迭されました。

更迭されたのは厚生労働省労働基準局の課長です。

厚生労働省などによりますと、この課長は19日、旅行で訪れた韓国から帰国する際に、ソウル郊外のキンポ(金浦)空港で空港職員とトラブルになり、現地の警察から取り調べを受けたということです。課長は休暇中で、今月16日から海外旅行に出かけていて19日夜、帰国しましたが、国家公務員が海外に渡航する場合に必要な届け出はしていなかったということです。

厚生労働省は「課長の職務を継続することは難しい」として20日、大臣官房付に異動させ、更迭しました。厚生労働省は「幹部が海外でトラブルを起こしたことは誠に遺憾であり、おわび申し上げます」としています。

NHKの取材に対してこの課長は「飲酒していないにもかかわらず酒に酔っているとして搭乗拒否されトラブルになったが、暴行はしていない。騒ぎになり、もみ合いになったことについては相手に謝罪した」と話しています。

課長は今月7日、自民党の会合で、介護などの受け入れ業種ごとに最低賃金を全国一律にする調整を始める考えを示しましたが、その直後に大臣などから「個人的な見解にすぎない」と否定されていました。

 

事件を起こした「武田康祐」氏とは?

1995年 労働省入省
2003年 厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課長補佐
2005年 鹿児島労働局総務部長
2007年 厚生労働省政策統括官付労働政策担当参事官室長補佐
2008年 在タイ日本国大使館一等書記官
2011年 厚生労働省職業安定局雇用政策課長補佐
2012年 内閣府政策統括官(経済社会システム担当)付参事官(社会システム担当)付企画官
2014年 厚生労働省労働基準局労働条件政策課労働条件政策推進官
2015年 内閣官房一億総活躍推進室企画官
2016年 内閣官房一億総活躍推進室内閣参事官、内閣官房働き方改革実現推進室併任

 

酔っていない人ほど、自分は酔っていないというので、本当はお酒に酔っていたと思いますが、それでもキャリア官僚のようなエリートが、ただ単純にお酒に酔っているだけで、このような事件を起こすのはあまり考えづらいです。

本当の原因は、ただの深酒ではなく、それまでに至る過程に問題だと思います。

 

厚生労働省が「強制労働省」と呼ばれるわけ

霞が関の官僚は、長時間労働というのが、もはや公然の事実となっています。慶應義塾大学大学院 経営管理研究科の岩本隆特任教授は「霞が関の働き方改革に向けて~ICTを活用した長時間労働是正と生産性向上~」と題したレポートによれば、月平均残業時間が100時間を超えているとの見方があります。

 

 

そんな残業時間が多い中央官庁の中で、トップクラスの残業時間を誇るのが「強制労働省」の不名誉な名前をもつ「厚生労働省」です。

 

「強制労働省」過酷な現実 厚労省、ICTで効率化模索

厚労省によると2015年の通常国会で、衆参厚労委員会の審議時間は306時間、国会答弁数は3584件。経済産業省(163時間1694件)や農林水産省(150時間1362件)は、厚労省の半分程度だ。国土交通省(108時間864件)は、もっと少ない。7月に公表された国家公務員の各労働組合の調査では、17年の月平均の残業時間は、厚生部門が53時間を超えて1位、労働部門も49時間で2位だった。

 

しかも厚生労働省は、不正統計問題で野党が厳しく追及を受けているため、国会答弁の対応などで激務になっていると聞きます。

ちなみに、今回韓国空港でトラブルを起こした賃金課長は、政府の肝いりで推進している働き方改革の担当者と職務をしていました。

 

働き方改革実現セミナー in 東京:「働き方改革」で日本は何を目指すのか? 目指すべきゴールからみる業務改革の最適解

働き方改革を推進する官僚の出身官庁である厚生労働省が、最も働き方改革の対極にある長時間残業が横行しているというのは、何とも皮肉な話です。

おそらく、この間も大変な激務を武田氏は担っていたのでしょう。

 

長時間労働はメンタルヘルス不調の原因

長時間労働は、過労死や睡眠障害、メンタルヘルスの不調といったことにつながります。間違いなく健康に悪影響があるため、政府をあげて働き方改革を推進して長時間残業の解消に向けて動いています。

そんな働き方改革の中核を担う厚生労働省の幹部職員で、しかも、働き方改革の実務者だった職員のメンタル自体が不調をきたしているということが、今回の事件で明らかになりました。

もちろん、今回の武田課長の行いは許されるものではなく、結果として内閣官房付という事実上の更迭されましたので、社会的制裁は一定受けていますが。

しかし、これを単なる公務員の不祥事として終わらせるのではなく、その背景にある中央官庁の長時間残業問題まで関心が向いてほしいと思います。

 

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