セクハラ辞任の前財務次官が弁護士になれた理由ー弁護士資格認定制度とは?

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何気なく週刊誌を立ち読みしていたら、飛び込んだのが、去年話題になったセクハラ辞任した財務省トップである財務次官が弁護士に転身したというニュースです。

そもそも、財務省の名誉を深く傷つけたトップが、法律職になるのはいかがなものかと個人的には思いましたが、法制度上はなれるようです。

そこで、今回は前財務次官が、弁護士になることができた「弁護士資格認定制度」について紹介したいと思います。

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実は東大在学中に司法試験に合格していた元財務次官

財務次官というのは、財務省の事務方トップであり、絶大な権限をもつ財務省のトップオブトップなわけですから、超がつくほどのエリートであることはいうまでもありません。

そんなエリート中のエリートである事務次官だった福田淳一元財務次官は、東京大学在学中に超難関国家試験である司法試験に合格していました。

 

「手縛っていい?」で再就職の手を縛られた「福田財務次官」の転身先

福田氏は、東大在学中に国家公務員一種(現在の国家公務員総合職)の試験を10番以内で合格しているだけでなく、司法試験も上位で受かっている

 

ちなみに司法試験(予備試験)の合格率は、大手資格専門学校の情報によれば、わずか4%でしたので、いかに勉強ができる人だったかというのがわかると思います。

 

司法試験に合格しただけでは弁護士にはなれない

しかし、ここで注意すべき点は、司法試験に合格しただけでは、弁護士にはなれないということです。

弁護士になるためには、1年間の司法修習を受ける必要があります。そのうえで、司法修習の最終試験に合格してやっと、弁護士となる資格が得られるのです

 

司法修習

我が国で法曹となるためには,原則として,専門職大学院である法科大学院を修了した後,新司法試験に合格し,1年間の司法修習を終えることが必要です。

司法修習は,法科大学院で学んだ法理論教育及び実務の基礎的素養を前提として,法律実務に関する汎用的な知識や技法と,高い職業意識や倫理観を備えた法曹を養成することを目的としており,法曹養成に必須の課程として置かれています。

司法修習の最終試験(司法修習生考試)に合格して司法修習を終えることにより,判事補,検事又は弁護士となる資格が与えられます

 

しかし、福田元事務次官は、1年間の司法修習と最終試験が免除されています。なぜか?その理由は、今回のテーマである「弁護士資格認定制度」を活用したためです。

 

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司法修習が免除される弁護士資格認定制度とは?

福田元次官の弁護士資格認定制度について、週刊新潮が取り上げています。

 

「福田淳一」前財務次官を救った「弁護士資格認定制度」

「過去に司法試験を通っていることが前提です。判事や国会議員、大学の法律学の教授などに5年以上。法律関係事務を処理する職務は7年以上従事していれば、申請できます。勤務経験の要件次第で、弁護士資格が認定されます

とのこと。本来なら司法修習を約1年間みっちり行うところを、

認定制度では、申請後に日本弁護士連合会による研修を約2カ月受講し、法務大臣の認定が出ると最短約6カ月で弁護士資格が得られます。認定後に弁護士会への登録を済ませれば、弁護士として活動できるのです」

 

福田次官は、国家公務員として、法律関係事務を処理する職務7年以上の従事に該当しているので、1年間の司法修習を免除することができたわけです。

 

弁護士資格認定制度

 

1年間の司法修習は、給付金がでますが、それでも、最低限の金額しか受け取れないので、少しでも弁護士資格を得られる方が家計的にも助かります。

今回の事務次官もタイムロスをせずに弁護士になれたのは、この制度を有効に活用した結果でしょう。

公務員なら無試験で得られる国家資格がある

今回の財務次官は、東大在学中に司法試験に合格していたという前提がありましたが、公務員の職種によっては、税理士、司法書士、行政書士といった無試験で得られる国家資格があります。

公務員というのは、なかなか専門スキルが育ちにくいという面がありますが、勤続年数がある程度達成できれば、国家資格が得られるのは魅力的ですよね。

下記の記事で国家資格をまとめていますので、興味がある方はご覧ください。

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