公務員は基本的に身分保障がしっかりしているので、民間企業のようなリストラが無いと考えられていますが、実際は違います。公務員も成績が悪かったり、余剰が生じた場合などは処分されることがあります。
将来的に税収が下がり、公務員の数をリストラしていく可能性もあるので、今回は普段は馴染みがない「分限免職」と「懲戒免職」について紹介したいと思います。
懲戒処分と分限処分の違いは?
公務員にとって馴染みのある処分といえば「懲戒処分」でしょう。例えば、最近もこんな不祥事がありました。
たつの市職員に停職6カ月の懲戒処分 /兵庫
たつの市は15日、地域福祉課の40歳代の職員(主査)に停職6カ月の懲戒処分を下した。市によると、この職員は2018年4月から、市立施設の清掃といった維持管理に関する委託業務の契約書などを作成せず、私費で36万円を民間業者に支払っていた。
公務員で処分といえば、この手の「罰則的」な処分であることが多いですね。何かしら犯罪行為を行ったり、公務員の職務専念義務に違反したり、理由はいくつかありますが、端的にいえば、公務員らしからぬことしたら場合のペナルティです。
しかし、実際に公務員の処分といえば「懲戒処分」だけでなく、何も公務員自身は特に悪いことはしていないのですが、役所の都合で処分される「分限処分」というものがあります。
懲戒処分と分限処分の違いは、懲戒処分は、職員の義務違反あるいは非行等にする公務秩序を維持するために行う制裁であり、分限処分は、公務能率の確保等の観点から 当該職員を官職あるいは職務から排除するものとしています。 |
参照元:http://www.jinji.go.jp/saiyo/jinji_top/ninmen/2-bungen.pdf
公務員の懲戒処分とは?
懲戒処分の種類とは
まず、公務員の懲戒処分といえば、以下の4種類です。
戒告 | その責任を確認し、将来を戒める |
減給 | 1年以下の期間、俸給の月額の5分の1以下に相当する額を給与から減 ずる |
停職 | 1日以上1年以下の期間、職務に従事させず、給与は支給されない |
免職 | 職員としての身分を失う |
一番最悪がクビになる免職であり、一番軽いのが戒告です。戒告というのは、文字通り戒める行為です。
懲戒処分を受けた場合はどうなる?
懲戒処分を受けた場合、少なからずキャリアに悪影響がでます。具体的には昇給・昇格や期末・勤勉手当、退職手当といった類いに不利益を受けます。
なぜ懲戒処分されるの?
懲戒処分は、法律、条例、規則などのルールに違反した場合、職務怠慢といった理由に懲戒処分されます。
また、全体の奉仕者としてふさわしくない行為をしても懲戒処分の対象となります。いわゆる公務員の信頼失墜行為に該当する場合などですね。
懲戒処分の行為別ランキング
総務省が公表している資料「懲戒処分者数及び分限処分者数について」によれば、以下のようになっています。
全体では「一般服務違反等関係」1,705 人(40.4%)が最も多く、次いで「交通事故・交通法規違反」1,008 人(23.9%)、「公務外非行関係」723 (17.1%)、「監督責任」552 人(13.1%)、「収賄等関係」131 人(3.1%)、「給与・任用関係」99 人(2.3%)、「違法な職員組合活動」1 人(0.0%)の順となっている。
一般服務違反等関係というのは、不適正な業務処理や勤務態度不良といったものです。次が飲酒運転の類です。特に飲酒運転はバレた一発でクビ間違いなので、絶対にやめましょう。
公務員の分限処分とは?
分限処分の種類とは?
次に分限処分をみてみます。
免職 | 職員をその意に反して退職させること |
降任 | 職員をその職員が現に任命されている官職より下位の職制上の段階 に属する官職に任命すること |
休職 | 職員としての身分を保有させたまま、職務に従事させないこと |
懲戒免職と同じで最悪、退職させられます。また決定的な違いは職員自体は不正を行っていませんので、戒告といった処分はありません。
分限処分を受けたらどうなる?
分限処分は、あくまでも役所としての公務能率を図るために行われるものであるため、降任させられて給与コストを下げられるわけです。
なので、自己都合というよりも会社都合という側面が強いですが、分限される職員にも全く問題がないわけではありません。
なぜ分限処分されるの?
分限処分される理由は、人事評価が著しく悪い場合や、メンタルを病んだりして職務が難しい場合です。なので、身分保障はあっても、職務が難しい場合は、分限処分されてしまうわけですね。
分限処分の行為別ランキング
分限処分の理由についても、総務省で公表しています。
事由別にみると、全体では「心身の故障の場合」23,958 人(98.4%)が最も多く、次いで「条例に定める事由による場合」125 人(0.5%)、「刑事事件に関し起訴された場合」83 人(0.3%)、「職に必要な適格性を欠く場合」72 人(0.3%)、「職制等の改廃等により過員等を生じた場合」67 人(0.3%)、「勤務実績が良くない場合」31 人(0.1%)の順となっている。
ダントツで多いのが心身の故障です。公務員は案外メンタルを病んでしまう人も多いので、分限処分されてしまうわけですね。
公務員は民間に比べものにならないほどの身分保障がしっかりされていますが、それは100%保障されていないということは肝に銘じなければなりません。
[関連記事]
これからは公務員の仕事もAI等の活用で職員数が減らされる状況になる可能性があります。政府の掲げる自治体戦略2040では公務員数削減を盛り込んだスマート自治体について紹介されています。