【組合の本業】公務員の労使交渉って何するの?交渉が無意味である3つの理由

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会計年度任用職員制度のスタートが控えている中で、公務員労組の労使交渉も本格化してきました。公務員の働き方に大きく影響する制度については、労使交渉をすることが「努力義務」なので、当局も組合も水面下では忙しくなっております。

さて、今回のテーマは公務員労組の「本業」である「労使交渉」です。

本来、公務員には労働組合の結成は認められていないのですが、職員団体という形で一定認められており、公務労働者の権利拡大を進めるために行われるのが、労使交渉です。

しかしながら、本当に公務員の労使交渉は意味があるのでしょうか?

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どんなことを交渉するの?

組合の交渉内容は、大きく分けて「賃金」と「定数」です。まず、労働組合の第一の目的は、組合員の福利厚生面を豊かにすることですので、もちろん給与アップ、福利厚生の充実を訴えます。これがいわゆる「賃金交渉」です。

一方で、職員が残業を減らし、時間外業務を無くすためには、職員数を増やすことが不可欠なので、職員定数を増やすための交渉を行います。(最近は、増やすというよりも、減らさないための交渉がメインですが・・)このような交渉を「職員定数交渉」といいます。

他にも、市長や副市長、人事政策を取り仕切る総務部長が交代した場合は、「着任交渉」ということをする場合もあります。いずれにしても、組合は職員の代表として、職員の声を届ける義務があるため、要所要所で交渉をしていくわけですね。

 

公務員の労使交渉は無意味と言われる理由

そんな公務員の労使交渉ですが、いろいろな見方ができます。公務員の現場の声を届ける機会でもあるし、それを届ける機会である組合交渉は重要な機会という見方です。しかしながら、組合交渉が、一部形骸化している面も否めません。

そこで、組合交渉が無意味だと言われる理由を整理しました。

 

公務員は労働協約が締結できない!

重要な点なので、最初に説明しておくと、公務員は労働組合は結成できません。公務員が組合と呼んでいるものは、正式には「職員団体」という組織であり、地方公務員法で認められているものであり、労働組合法の適用除外という点です。

よって、労働組合ではないことから、労働組合に認められている「労働協約」を締結することはできません。つまり、職員団体が交渉によって当局と締結する協約は、「紳士協定」にすぎず、法的拘束力はないのです。

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公務員の勤務条件を決めるのは、結局「議会」

仮に当局との交渉の結果、協約を締結して、公務員に有利な給与体系、勤務条件が妥結されたとしても、議会で条例案が可決しなければ、それは意味がありません。

そもそも、私たち公務員の働き方を制約するのは、当局と職員団体の交渉力の差ではなく、公務員をとりまく地方公務員法、当該自治体の条例といった法律上の制約であり、その条例を決めるのは、住民の代表たる「議会」という点です。

なので、議会の動向を無視して、強引に組合交渉をしたところで、議会で条例案が可決する見通しが立たなければ、無意味といえます。

 

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最近の地方議員は、地方自治体の財政難を危惧して、公務員の待遇改善には消極的ですし、逆におおさか維新の会のように、行政改革で職員定数を減らしたり、給与を切り下げようとする流れもあります。よって、議会を味方につけることは至難の業です。

 

最後は結局、財源の壁

これが結局、ネックになるのが、財政上の制約です。仮に公務員の基本給を上げる、具体的には人事院勧告に基づいて上げるにしても、当該自治体の財政状況によっては、不可能という場合も少なくありません。

先ほど紹介した那珂川市の場合のように、人事院勧告に従わず、議会が否決することだってあります。

なので、法律上求められている、勧告されていても、結局は財源、結局は議会に否決されてしまっては達成されないわけですね。

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それでも労使交渉を続ける意義

とはいえ、公務員という労働者の声を届ける機会としては、労使交渉は必要不可欠といえます。むしろ、当局も本当に職員の声を反映した政策なのか、不安な面があるのです。

それゆえ、実現するかどうか、ではなく、まずは意見を伝えるという点が大事なのかもしれません。それに組合から労使交渉を奪ってしまっては、組合は単なるレクリエーション活動団体に成り下がります。まあ、この点は蛇足ですが、組合の存在意義が問われている中で、組合の存在感をアピールする機会でもあるわけです。

 

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