幹部候補?議員出馬?自治労本部配属?組合エリートに用意されている3つの進路を教えます

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過去の記事で組合専従について紹介しました。

なぜ地方公務員の世界では労働組合の執行役員が出世しやすいのか?
労働組合というと、組合交渉というものがあることから、反対派、抵抗勢力という見方をする人もいますが、役所の世界ではちょっと特殊です。 というのも、私の役所の場合は、労働組合に加入して、執行役員となった職員は出世しやすい傾向があり...

 

自治体によって異なるとは思いますが、組合専従は、人事課や各職場とも広くつながっていることが多く、出世しやすいんですよね。

いわば、組合専従は組合エリートといっても過言ではありません

 

そんな組合専従の任期を全うしたあと、さまざまな進路があります。だいたいは職場に戻ることが多いのですが、そんな専従職員の中でもある程度実力が認められた場合、次のステップが用意されています。

そこで、今回は組合エリートに用意されている3つの進路について紹介します。

 

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組合専従に用意されている3つの進路

 

組合専従の任期は最大で5年(特例で自治体によっては7年)ですが、この期間で人事課と交渉することが多く、人事・給与制度はもちろん、行政改革、職員定数、財政制度など幅広く内部制度に精通することができます

よって、組合専従はある意味で普通の職員では知ることができない専門知識を持つことができます。

 

また、各職場にいる組合員ともつながっているため、役所内の人間関係にも明るく組織な人脈という点でも強みがあります。このように、組合専従は「専門知識」「組織内人脈」という優位性を持っているため、どの職場でもある程度の「ツブシが利く」わけです。

 

勿論、すべての組合専従がツブシが利く職員となるわけではありませんが、私の経験則用、組合活動をしていく中で揉まれて職員としてのスキルが高い人が多いように感じます。

では、そんなある程度のスキルを持つ組合専従は、3つの進路が用意されています。

 

進路1 幹部候補

これは大半の組合専従に用意されている道ですが、職場に戻っていったんは職員になりますが、大半は執行役員として組合活動に従事することになります。

そしてある程度の適齢期になれば、割と早く係長級に昇進することが多いです。そして、筒がなく業務をこなせば課長補佐、課長という形で管理職ポストを手にすることになります。

 

管理職になるのは、組織のごくわずかですが、組合出身者、それも組合専従、委員長となれば、管理職ポストはほぼ間違いありません。

もちろん、組合と当局との関係性にもよりますが、組合が当局と協調路線である御用組合であれば、ほぼ間違いないと考えてもよいでしょう。

 

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進路2 自治労の組織内候補として議員出馬

役所の幹部候補としての進路だけでなく、ある程度「弁が立つ」と認められるならば、組合の組織内候補として議員選挙に出馬する進路もあります。

組織内候補となれば、ある程度の票が約束されているうえ、組織がない候補と比較しても有利ですし、選挙戦も組合が総力をあげて応援してくれるので安心です。

普通、選挙戦となれば、ある程度の自己資金があれば、組合が財政的にも人員的にも支援してくれるので、自己負担も少なく済みます。(私の職場の組織内候補は300万円で済んだそうです)

もちろん、出世する場合は立憲民主党か社会民主党から出馬することが多いですね。

また、万が一落選しても、何かしらの就職口は案内してもらえるらしいので、保険もあるわけです。(もちろん、次の選挙にも必ず出馬することにはなります)

組織内候補は、だいたいが3期までは支援が約束されているので、12年間は議員として活動することができます。

議員退職後も、組合の顧問という形で雇用が約束されている場合が多いです。

進路3 自治労本部職員

実はこれが最も組合エリートの中でも、一握りのエリート中のエリートだけが許されている進路といえます。

各職場の公務員系労働組合を束ねるナショナルセンターは自治労(全日本自治団体労働組合)ですが、その自治労本部の専従職員なれるのはある程度のステータスです。

もちろん、いきなり自治労本部に配属というのは少ないですが、自治労都道府県本部配属というケースが多いですね。その中でも、出世すれば、自治労本部の局長ポストになれる可能性があります。

 

仮に自治労本部の局長ポストになり任期を全うして、地元に帰れば、ほぼ間違いなく自治労都道府県本部トップである委員長ポストが用意されています

そして、ある程度の実力を兼ね備えれば、自治労の上部団体である連合(日本労働組合総連合会)の都道府県本部の委員長という進路もあります。連合の委員長となれば、言わば労働組合の中でもトップですから、事実上の「アガリ」です。

組合エリートを目指す役所人生も面白いかも?

公務員として仕事をしていくうえで、組織内で副市長や部長ポストを目指すのも面白いですが、普通の職員ではできない経験を組合活動はすることができます。

普段会えない国会議員や地方議員に会えたり、組合費で出張に行ったり、全国集会に顔を出すこともできます。

もちろん、労働組合というのは政治的にはやや左、リベラルなので自分の政治信条と合わない人には敬遠してしまうかもしれません。

しかし、あくまで職業としての組合活動と割り切れば、これはこれで面白いと思います。

 

 

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