とある自治体の労働組合の役員をしている私ですが、毎年、新規採用職員を労働組合に勧誘する取り組み、通称オルグをしています。
公務員になった人は覚悟してほしいのが、どの自治体にも必ず労働組合(正式には職員団体)があり、必ずオルグを受けます。
入庁したばかりで良くわからない「イタイケナ」若手職員は組合に加入することになります。
・断っても大丈夫なんだろうか??
・加入がやっぱり絶対なのかなぁ・・
そんな不安を抱いている職員も多いと思うので、今日は
・ぶっちゃけ労働組合に入るメリットは低下している。
というポイントで書きます。
公務員が労働組合に入るかどうかは自由
そもそもですが、公務員が労働組合に入るかどうかは自由ですので、断っても問題ありません。
民間企業ならば、労働組合に加入が義務付けられているところ(クローズドショップ制)もあるようですが、自治体は任意加入(オープンショップ)です。
なので、公務員になったら組合に入らないといけないと思っているならば、それは誤解です。
もちろん、私は現役の労働組合の役員(非専従)ですので、組合の加入を推奨しますが、組合に入ると当然、組合費はかかってしまうし、私みたいな役員になると休日や選挙中に動員があったり、カネと時間が取られるというデメリットもあります。
しかし、労働組合は上手いこと利用すれば、デメリット以上にメリットを得ることができるので、一概にいえないのも事実ではあります。
公務員が組合に加入するメリットが年々低下している現実
たいそうなことを言っている私ですが、労働組合に入ったのも世話してくれた先輩職員が労働組合の役員だったからですので、そんな深い理由はありません。
逆に組合役員に何のつながりもない新規採用職員ならば、組合に入る理由なんて無いのも納得です。
それにこれまでは組合に入ることが常識として、疑うことも許されないような雰囲気がありましたが、組合に入るという雰囲気が無くなりつつあるように感じます。
また、組合の加入率自体が年々低下していることも、組合加入のメリットを低下させている要因となっています。
これは因果関係が逆転しているようですが、
組合の加入率低下 → 組合の存在感の低下 → 組合の交渉力の低下 → 組合加入するメリットの低下 → 組合の加入率低下・・・・
という負のスパイラル関係にあります。
つまり、組合の加入率が低下していることで、組合の存在感が低下することにより、組合に加入の雰囲気が薄れてきているように感じます。
そもそも公務員労組の上部団体である自治労の組合員数ですが、1983年の126万人をピークに現在は低下傾向であり、2020年現在は79万人程度でしょう。
組織の力は、結局のところ、組織の加入人数によって決まりますので、人数がピーク時から半減してしまい減少傾向というと、存在感が薄くなっているように感じます。
公務員が組合に入るかどうかはメリットとデメリットを総合的に判断しよう
私の考えとして、個人は組織のためにあるものではなく、組織は個人のためにあります。なので、組織の一形態にすぎない組合も利用すればいいのです。
もちろん、利用するには一定の貢献や負担もいりますが、負担以上の恩恵を受けられるのであれば、トータルプラスで組織に入るのがお得ということになりますね。
私が公務員という組織には加入したのも、公務員としての義務や負担(よくわからない市民に怒鳴られる等)はあるものの、給与や福利厚生といった保証、社会的なステータス、そして仕事の使命感ややりがいなどを総合的に判断すればお得だからですよね。
ということで組合に入るかどうかも、現実的に考えられるかどうか別として、組合費以上に、もしもの時に守ってもらえるとか、組合の理念に共感したとか、といった期待があれば加入すればいいと思います。
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