地方公務員のみなさんは、しっかり選挙に行っていますか?公務員は、公平性の観点から政治活動が制約されておりますが、だからこそ、投票をするべきです。
選挙や投票というと、自分に関係無いと思う方もいますが、とんでもありません。公務員なら尚更、関係ありますよ!
選挙を含めた政治の本質は、利害関係や損得勘定です。
公務員に有利な政策を実現する政党に投票することは、理にかなっていますし、逆に公務員をバッシングするような国会議員や地方議員は当選させてはいけないのです。
そんな地方公務員に有利な政策を実現を期待できる政党が、今回のテーマである立憲民主党です。
後述しますが、立憲民主党の支持基盤は労働組合であり、その労働組合の中でも公務員系労組最大勢力を誇る自治労が貢献しています。
それ故に、立憲民主党は地方公務員に有利な法案を通してくれることが期待できます。そんな、損得勘定で立憲民主党に投票するメリットを今回は書きたいと思います。
立憲民主党は労働者の政党
立憲民主党は、もともと民進党に所属していた枝野幸男議員が立ち上げた政党です。平成30年12月1日現在、衆議院議員は54名で、参議院議員は19名の73名で事実上の最大野党です。
民進党はご存知のとおり、民主党が改名した政党でしたが、希望の党との合流騒動もあり、解党しました。
そんな解党した民進党系の議員は、立憲民主党や国民民主党、無所属の会といった形でバラバラになりました。
それぞれ立場が安全保障や選挙対策において違うのですが、立憲民主党の立場はどちらかといえば、リベラル寄りであり、労働組合が支持基盤であることから労働者のための政党です。
立憲民主党というだけあって、立憲民主主義を党の柱としており、権力を制約するという立憲主義と民主的なプロセスで政治を行う民主主義を第一にしています。
党の綱領は以下の四つとしています。
一.立憲主義を守り、草の根からの民主主義を実践します
二.未来への責任をまっとうし、活力ある共生社会をつくります
三.公正な分配により人間のための経済を実現します
四.国を守り国際社会の平和と繁栄に貢献します
草の根民主主義を重要視しているから、財界や大企業からの支持よりも、労働者や消費者といった人々からの支持獲得を目指しているようですね。
立憲民主党の有力支持団体は「自治労」
そもそも立憲民主党という政党における最大の支持母体は、労働組合の全国的組織である日本労働組合総連合会(通称「連合」です)です。
連合はあくまでも、各業界の労働組合の全国組織であり、加入している労組はUAゼンセンや電力総連といったものがあります。
連合に加盟労組一覧
UAゼンセン 電機連合 日教組 情報労連 運輸労連 国公連合 JR総連 ゴム連合 紙パ連合 印刷労連 セラミックス連合 メディア労連 森林労連 労供労連 自治労連 港運同盟 地方連合会 自治労 JAM JP労組 電力総連 私鉄総連 損保労連 交通労連 サービス連合 全国ガス 全自交労連 全銀連合 全労金 全信労連 労済労連 全国ユニオン 日建協 自動車総連 基幹労連 生保労連 JEC連合 フード連合 JR連合 海員組合 航空連合 全電線 全水道 全国農団労 ヘルスケア労協 全印刷 全国競馬連合 JA連合 全造幣 |
そんな各業界における労組の中でも、屈指の組織率を誇るのが、官公労系最大の労働組合である「自治労」です。自治労の組合員数は、組合員数が減ったとはいえ、全国に80万人を有しており、多くの組織内議員として立憲民主党や社会民主党に輩出しております。
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幻の「国家公務員制度改革関連四法案」
立憲民主党の前前身である民主党が政権にあったとき、平成23年6月に「国家公務員制度改革関連四法案」が国会に提出されました。
この制度改革の目的は、公務員の勤務条件を労使交渉との合意によって決めるというものであり、労働基本権が制約されている公務員としては、画期的なものでした。
また、公務員給与を決定している人事院勧告を廃止するとともに、現業職員以外の公務員にも労働協約権を与えるものでした。
そのうえで、労使交渉の窓口として人事院と別の「公務員庁」を作る。というものでした。
ここまで読んだだけでも、公務員にとっては非常に有利だということがわかります。これまでは組合で決定でき無かった給与や労働条件が組合交渉で決まるのですから、組合の発言力は大きくなるし、組合の加入率も高まるでしょうからね。
しかし、結果としては民主党が政権を追われたことで、残念ながら廃案となりました。これは国家公務員だけでしたが、実現していたら、地方公務員にも波及して公務員の働き方も自由になっていたことでしょう。
まだ終わっていない!「国家公務員制度改革関連三法案」
現在の立憲民主党の基本政策にも民主党時代の問題意識があった公務員の労働基本権の回復が引き継がれています。
公務員の労働基本権を回復し、労働条件を交渉で決める仕組みを構築するとともに、職員団体などとの協議・合意を前提として、人件費削減を目指します。
この基本政策において、人件費削減という記述が波紋を呼びましたが、最も大事なことは人事院勧告で上から決められる給与制度や、地方公務員法で制約されている公務員の労働基本権を回復させることでした。
実際、2018年6月に「国家公務員制度の抜本的見直しに向け公務員制度改革関連三法案」を提出しています。
具体的には、「国家公務員法等の一部を改正する法律案」「国家公務員の労働関係に関する法律案」「公務員庁設置法案」の3つです。この法案はまさに民主党政権時代に断念したものを再提出するものであり、まだ立憲民主党は政策の実現をあきらめていないということがわかりますね。
政党も労働組合も、結局は自分の利益につながるものです。上手に活用して自分の権利を拡大させる努力は大事です。
ある意味、これも自分の収入につながるものといえるので、投資の一部と考えるのは言い過ぎでしょうか?
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立憲民主党が廃止を目指す人事院勧告制度ですが、そもそもどんな制度かどうかを解説しています。