【組合の生命線】公務員のチェックオフ制度とは?神戸市役所が廃止されるって本当?

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公務員の労働組合が一定の組織力がある理由の一つは、組合費を自動的に集金できる「給与天引き」いわゆる「チェックオフ」といっても過言ではありません。

しかし、神戸市役所で発生したヤミ専従事件をきっかけに、神戸市役所労働組合の屋台骨を支えていたチェックオフ制度が廃止される瀬戸際です。

そこで、神戸市役所のチェックオフの動きと合わせて、チェックオフについて解説したいと思います。

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チェックオフ制度とは?

チェックオフ制度とは、組合費を給与から天引きできる制度のことです。チェックオフ制度は、地方公務員の場合であれば、地方公務員法25条において、法律または条令により「特に認められていれば」可能としています。

(給与に関する条例及び給与の支給)
第二十五条 職員の給与は、前条第五項の規定による給与に関する条例に基づいて支給されなければならず、また、これに基づかずには、いかなる金銭又は有価物も職員に支給してはならない。
2 職員の給与は、法律又は条例により特に認められた場合を除き、通貨で、直接職員に、その全額を支払わなければならない。
3 給与に関する条例には、次に掲げる事項を規定するものとする。
一 給料表
二 等級別基準職務表
三 昇給の基準に関する事項
四 時間外勤務手当、夜間勤務手当及び休日勤務手当に関する事項
五 前号に規定するものを除くほか、地方自治法第二百四条第二項に規定する手当を支給する場合においては、当該手当に関する事項
六 非常勤職員の職その他勤務条件の特別な職があるときは、これらについて行う給与の調整に関する事項
七 前各号に規定するものを除くほか、給与の支給方法及び支給条件に関する事項
4 前項第一号の給料表には、職員の職務の複雑、困難及び責任の度に基づく等級ごとに明確な給料額の幅を定めていなければならない。
5 第三項第二号の等級別基準職務表には、職員の職務を前項の等級ごとに分類する際に基準となるべき職務の内容を定めていなければならない。

 

よって、基本的にチェックオフを行う場合は、条例でしっかり規定しておく必要があるのです。

神戸市役所はチェックオフが廃止される?

神戸市役所労働組合は、全国的にみても、あの大阪市役所労働組合に匹敵するほどの規模と組織力を誇っていました。

神戸市職労は、年間約3億9千万円の組合費収入があったわけですから、相当な資金力があったことがうかがえます。

また、組合員も約7,000人加盟しており、カネとヒトといった影響力もあってか、神戸市から給与を受け取りながら組合活動をしている、いわゆる「ヤミ専従」を長年放置していたことが明らかになりました。

 

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基本的なことですが、公務員でも専従として組合活動をすることができますが、その間は当然、役所からは給与は支給されません。(代わりに組合費から給与相当額が支給されます。)

しかし、神戸市役所はそれを長年にわたって放置していたため、退職者を含む189人名の神戸市職員が処分されることとなりました。

 

退職者含む189人の処分発表 神戸市ヤミ専従問題

神戸市職員労働組合(市職労)のヤミ専従問題で、神戸市は6日、組合役員や違反状態を放置していた市行財政局の幹部経験者ら計189人を処分したと発表した。このうち停職や減給など地方公務員法に基づく懲戒や懲戒相当は73人に上り、同市の処分としては過去最多となった。元副市長ら退職者も含まれ、市は処分相当額の自主返納を求める。(若林幹夫)

 

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この事件を受けて、神戸市議会では、公務員労組に否定的な維新の会系議員を中心に、チェックオフ制度を廃止する条例案が提案されることとなりました。

 

神戸市の職員団体「市職員労働組合」などの組組合費天引き廃止を提案 神戸市議会、自民・維新会派

合幹部らが職場を離れて組合活動をしながら給与を受け取る「ヤミ専従」をしていた問題にからみ、神戸市議会(定数69)で25日、職員給与から市職労の組合費を天引きする「チェックオフ制度」を廃止する給与条例改正案が提案された。

提案は自民・維新両会派27人の連名。委員会での審議後、12月上旬に採決が行われる見込み。廃止が決まれば政令市では大阪に続いて2例目となる。

市によると、行政職員の市職労への加入率は9割超。現在は職員約7千人の給与から、組合費として年間約3億9千万円を天引きし、市職労側に入金している。

両会派は、新人職員研修で市職労の執行委員長が講演し、その後に組合勧誘が行われていたことを問題視。「職員の自由意思に基づく加入ではない可能性が高い」とし、廃止によって「不健全な労使関係を正す」としている。

大阪市では平成20年に議員提案の条例改正でチェックオフ制度が廃止された。

チェックオフを失ったら労働組合が弱体化するのは確実

組合費が自動的に集められるチェックオフは、大げさですが、組合の生命線です。それゆえ、仮に

チェックオフを失えば、組合は個別に集金する必要がでてくるため、その手間を嫌がって、組合費を払わない職員も出てくるでしょう。また、組合費って案外高い!ということを自覚して、組合を脱退する職員もいるでしょう。

実際、神戸市役所では脱退希望が1,000人規模です。

その後、市職労の1月末の集計で、組合員7179人中、残留し天引きに同意するとしたのは4914人(68%)にとどまり、脱退希望は1130人(16%)だった。1082人(15%)が未回答で、修正案が可決されればこの回答に影響する可能性がある。

 

仮に1000人規模の脱退となれば、組織にとって大打撃となることは間違いありません。さらにチェックオフの特権も失えば、神戸市職労は窮地に陥ることは必至ですね。

今後、チェックオフ廃止の動きが神戸市役所を皮切りに他の自治体に波及する恐れもあるので、この動きは組合役員としては注視しておきたいところです。

 

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