【政治闘争】なぜ公務員の労働組合が政治活動を行う必要があるのか?

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「なぜ公務員の労働組合が政治活動をするの?」

 

 

地方公務員の代表的な労働組合は、賃金と雇用条件の向上を図る労使交渉だけでなく、選挙活動といった政治活動を行います。

しかし、公務員の選挙活動に対して、疑問を抱く人は割と多いのではないでしょうか?

そこで、労働組合の執行委員を務めている私が、公務員労組の政治活動の意義について解説します。

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公務員労組が政治活動を行う意義は?

もちろん、労働組合の本文や労働者の賃金の底上げと、労働時間や勤務条件を良くしていくということです。

働きやすい職場環境を作っていくことこそ、労働組合の存在意義です。

しかし、公務員の賃金や勤務条件は、民間企業のように労使交渉で決まるわけではありません。

仮に当局(総務部)との労使交渉で、公務員の給与や手当が倍増することが交渉で妥結したとしましょう。

しかし、公務員の労働条件は、法律や条例で決まりますので、労使交渉で妥結したことも、国会や議会で否決されてしまえば、無意味ということです。

よって、労使交渉で労働者に有利な答えを引き出すだけでなく、政治活動を通じて、議会に公務員に有利な法案を成立させる必要があるというわけです。

 

 

民間企業と圧倒的に違うのは、公務員は法令の範囲内でしか生きていけず、法令の範囲を有利なものにするのは、政治だけというわけです。

だからこそ、公務員労組は政治活動に熱心というわけです。

住民福祉の向上も政治活動をしなくては実現できない

公務員労組の役割として、自分たちの賃金と雇用条件の向上だけではありません。

医療や福祉、年金や子育てといった住民福祉を高めていくことも、労働組合の役割の一つです。

これら住民福祉の向上について、いくら街頭デモや署名活動をしても、結局、法案が通るかどうかは、政治でしか決められません

もちろん、現場の努力や工夫で住民福祉が向上して、それが法案としてナショナルミニマムになるというパターンはあります。

とはいえ、公務員は法令の範囲内でしか動けないため、しっかりと制度として確立してこそ、安定的な住民福祉につながるのです。

よって、住民福祉の向上を、政治家が法律を変えてくれるのを待つのではなく、組織として改正させるために働きかけるのも、労働組合の役割といえるでしょう。

 

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公務員労組が行う政治活動とは?

代表的な公務員労組は、全国に80万人の組合員を誇る「自治労」です。

労働組合が行う具体的な政治活動は、実際に国会や議会に労働組合の意向を実現する議員を送り込むことです。

 

このような労働組合の後押しを受けて活動する議員は「組織内候補」と呼ばれており、自治労は多くの組織内候補を輩出しています。

 

 

また立憲民主党の支持母体は日本の労働組合の元締めである「連合」であり、もちろん、連合に加盟している自治労も立憲民主党を支持しています。

 

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このように公務員の労働組合は、政党や政治家の選挙活動を支援することで、発言力を高めているわけですね。

 

【まとめ】法令の範囲内でしか動けない公務員だからこそ、公務員に有利な法令に変えてしまおう!

公務員として働いていると、法令や制度がおかしいと感じる瞬間ってあると思います。

もちろん、公務員は法令順守、憲法擁護義務がある全体の奉仕者です。

しかし、公務員の十分な雇用環境が保障されてこそ、住民福祉の向上につながる仕事ができるというものです。

公務員の雇用が安定し、消費活動を行うことで、地域経済の活性化につながるというものです。

だからこそ、公務員に有利な法案を通すことは、公務員だけでなく、地方にとっても有意義だといえます。

しかし、一人の公務員がいくら頑張ったところで政治的には無力ですが、労働組合という組織の力を使えば、有利に進めることができるわけです。

労働組合はツールであり、あくまでも労働者の手段です。

 

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