これから公務員を取り巻く環境も悪化していくことが予想されますので、公務員も一定のリスクを取っておくことが求められるわけです。
とはいえ、むやみにリスクを取るのは危険であり、なるべくリスクを抑えて安定的にリターンを得る投資方法が賢明です。
そんなミドルリスク・ミドルリターンな投資方法として、高配当株投資をおすすめします。
今回は、高配当株投資のメリットや具体的な高配当の銘柄について解説します。
なぜ公務員も株式投資をする必要があるのか?
これまでの公務員というのは、薄給だけども終身雇用と年功序列で安定していました。
さらに、自治労のような強い労働組合の存在もあったため、雇用環境は守られていました。
このような強固な雇用基盤をもとにして、公務員の資産形成は、公務員の優遇金利で住宅ローンを借りてマイホームという名前の不動産投資をしつつ、
余った資金を高利率の共済貯金で積み立てていくというのが、公務員の王道の投資方法でした。
さらに、老後も職域加算が付いて民間よりも有利な年金制度が保障されていました。
しかし、時代が代わり、財政難による人員削減、給与カットなど、今後は公務員の待遇が悪化することが予想されます。
実際、これまでの公務員の資産形成の中核を担っていた共済貯金も利率が下げられるなど、改悪が続いています。
これまでの資産形成方法から、もう少しだけリスクを取った資産運用が、ぬるま湯につかっていた公務員にも求められるわけです。
そこで、おすすめしたいのが、今回のテーマである高配当株投資です。
高配当株とは?
株式は、基準日に保有しているだけで配当金という形で不労収入がもらえます。
その配当金で、株価を割り戻すことで配当利回りが算出されるわけですが、配当金に比べて株価が割安な場合は、配当利回りは高くなります。
そんな配当利回りが高い株式のことを、高配当株といいます。
同じ金額を投資するにしても、配当金が多い方がやっぱりいいですものね。
高配当株投資のメリットは?
株価に比べて多額の配当金がもらえる
高配当株のメリットは何と言っても、配当金が株価に比べて、多額の配当金がもらえるということです。
例えば、UNIQLOやGUを展開しているファーストリテイリングの場合は、配当利回りは0.53%です。
仮にファーストリテイリングを100万円保有していても5,300円しかもらえません。
一方で、代表的な高配当株である通信会社大手のソフトバンクと比較します。
ソフトバンクの配当利回りは6%ですので、ソフトバンクに100万円投資をすれば、年間6万円の配当がもらえます。
実に12倍以上もソフトバンクの方がファーストリテイリングよりも配当金を多くもらえます。
どうせ同じ金額を投資するならば、ソフトバンクに投資をした方が、多額の配当金がもらえてお得というわけですね。
株価が下がるほど配当利回りが上がる
株でも儲かるときというのは、株価が上がった時ですが、高配当株投資の場合は、株価が下がった方が嬉しいときもあります。
例えば、株価が1000円で配当金が50円の場合は、配当利回りは5%です。
仮に配当金は50円で変わらずに株価が900円となった場合は、配当利回りは5.5%に上がります。
配当利回りが高くなるほど、少ない投資で多額の配当金がもらえるというメリットが高まります。
配当利回りが高くなればなるほど、追加投資で配当金収入も増やすことができますので、株価が下がったら逆に嬉しい、というわけですね。
株価の値動きに一喜一憂しなくなる
株価の値上がりで利益を得ることをキャピタルゲインといいますが、この投資方法のデメリットは、株価の値動きに一喜一憂してしまうという点です。
もちろん株価が上がっていれば良いのですが、株価の下落局面となれば、メンタルも連動して落ち込んでしまいます。
一方で、配当金で利益を得るインカムゲインは、株価の値動きに気にせずに、仮に下がっても買い増しをして配当金を増やすチャンスと考えられますし、配当金以上に上がったら売って利益を確定してもいいわけです。
つまり、高配当株は株価が上がっても、下がっても、どっちに転んでもおいしい株なのです。
おすすめの高配当銘柄リスト
高配当銘柄はいくつありますが、配当利回りが4%以上という条件で抽出しました。
銘柄名 | 株価(R3.4.4現在) | 配当利回り |
ソフトバンク | 1,432円 | 5.94% |
日本郵政 | 950円 | 5.48% |
武田薬品工業 | 4,041円 | 4.98% |
三菱HCキャピタル | 639円 | 4.32% |
藤商事 | 886円 | 5.85% |
SANKYO | 2,868円 | 5.13% |
三井住友FG | 3,927円 | 5.01% |
三菱商事 | 3,038円 | 4.44% |
関西電力 | 1,129円 | 4.67% |
トマト銀行 | 1,132円 | 4.66% |
JT(日本たばこ産業) | 2,076円 | 6.74% |
ファンコミュニケーションズ | 412円 | 4.74% |
この中で最も配当利回りが高いのは、JT(日本たばこ産業)の配当利回り6.74%です。
一時期、JTは配当利回りが7%を超えるときもあり、代表的な高配当株の一つです。
また、日本郵政も元国営でしたので、財務状況や優良資産を多く保有しています。
関西電力も電力というインフラを担っており、経営破綻するということが現実には考えられませんし、安定した配当が見込めます。
このように共済貯金の利率よりも高い金利が期待できる高配当株投資は、おすすめです。
もちろん業績悪化により配当金が減らされる減配リスクはあるものの、共済貯金よりも高い金利は魅力的ですね。