そんなに甘くない!生活保護向け不動産投資のリスクを公務員が解説

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不動産投資は、いかに安定的かつ低利の融資を引き出すかという「ファイナンス」と空室を出さない「客付け」が重要となります。しかしながら、ご存知のように、地方では人口減少が悪化しており、客付けも難しいのが現実です。

さらに、スルガ銀行とカボチャの馬車事件から、アパート投資への融資も金融庁が厳しくチェックしているので、ファイナンスも難しいところです。

このように、地方における不動産投資において、にわかに注目されているのが、今回紹介する生活保護受給者向けの不動産投資です。生活保護受給者は、当然生活保護から賃料が出るので、家主も安心して貸すことができて、家賃の取りぱぐっれがないと考えています。

いろいろメリットが多い生活保護受給者向け不動産投資、通称「生保(せいほ)向け不動産投資」ですが、実際にケースワーカーとして業務をしていると落とし穴が見えてきました。

ということで、生保向け不動産投資の落とし穴を、日々生活保護受給者と向き合っているケースワーカーが解説します。

 

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メリットが多い生保向け不動産投資

確かに生保向け不動産投資は、魅力が多いです。そこで、落とし穴を述べる前にまずは、生保向け不動産投資について紹介します。

賃料が生活保護から出るので安心

不動産投資のリスクの一つが、滞納リスクですが、生保向け不動産投資であれば、役所が税金から賃料を払ってくれるので、安心感が違います。これがワーキングプアのような低賃金アルバイトであれば、家賃を滞納するリスクが高くなります。

家賃に行政という裏付けがあるというのは、安心感という点では圧倒的にメリットが多いです。

 

どんなボロ物件でも、比較的高めの賃料がもらえる。

基本的に賃料というのは、近隣のアパートの家賃相場によって変わります。なので、周囲が1Rで20,000円程度であれば、やはり、それぐらいの相場にならないと他の物件に客が持っていかれてしまいます。

もちろん、その物件の立地状況や設備といった様々な要素によって、一概には言えないところではありますが、それでもなお、家賃相場に一定引っ張られてしまいます。

しかし、生保向けアパートの場合、相手が行政という市場原理に縛られない法律の範囲内で家賃が決まりますので、相場より高い賃料でも貸すことができるわけです。

具体的に、生活保護から出される家賃とは、生活保護の8つの扶助の一つである「住宅扶助」の一つであり、その住宅扶助の金額というものは、地域によって異なります。例えば、埼玉県の場合は、県内の地域ごとに1級地、2級地、3級地というふうに基準額が異なります。

 

住宅扶助基準額(生活保護法)

 

たとえば、埼玉県の1級地で一人世帯であれば、47,700円の家賃で貸すことができるのです。どんなボロ物件でも、47,700円です。

埼玉県内の1級地であれば、たとえば川口市ですが、川口市内の不動産を賃貸サイトでみても、3万円以下のボロアパートは、山ほどありますが、それらも相場の1.5倍以上の47,700円で貸すことができるのは素晴らしいですね。

このように、生保向け不動産投資は相場以上の賃料を、手堅く得られるということで、人気があるわけですね。

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見落としがちの生保向け不動産投資のリスク

では、ここから生保向け不動産投資のリスクについて紹介します。

隣人トラブルリスク

いきなりですが、生保の方は、隣人トラブルを起こしがちです。そもそも、普段の居宅生活ができない人が多く、ごみを貯めこんだり、夜中に騒いだりして隣人トラブルを起こすことがあります。

そんなときに、大家からケースワーカーに苦情が来るのですが、せいぜい、受給者に注意をするぐらいです。また、一番最悪なので、生活保護受給者どうしが隣人の場合、さらに深刻になります。そのため、他の居住者が引っ越しをするという事態もあります。

 

ごみ屋敷リスク

先述しますが、生活保護受給者はゴミ出しや掃除ができない人が多く、ごみを貯めこみ、ごみ屋敷化する人も一定います。それが、共有スペースにもあふれ出してきて、処分しようにも、頑なに処分に応じず、アパート自体の景観が悪化するリスクもあります。

その背景には、生活保護受給者は、精神疾患を抱えており、セルフネグレクトという人も多いということがあります。

 

死亡リスク(事故物件リスク)

独居老人も多いのが、生活向け不動産投資の特徴ですが、ある日、室内で亡くなってそのまま、室内の染みになっていたなんてこともあります。また、お風呂場で亡くなったため、排水管一切をすべて改装するハメになったということもあります。

一応、申し上げますが、生活保護費から、それらの修繕、クリーニング費用はでませんので、敷金の範囲内でやるしかありませんので、ご注意ください。

※ちなみに、遺品類の処分費用については生活保護から別途出るので、ご安心ください。また、ごみ屋敷のまま死亡しても、同様に生活保護から出ます。

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修繕リスク

よくあるのが、退去時に壁を壊したり、排水溝を詰まらせたり、たばこのヤニだらけにして、著しく部屋を毀損する場合です。これらも敷金の範囲内ですので、生活保護から別途出すことはできません。

よって、敷金はある程度もらっておいた方が無難ですよ。

 

滞納リスク

え、生活保護なのに滞納?と思った人もいると思いますが、基本的に生活保護の住宅扶助とは、いったん、生活保護受給者の口座に振り込みます。もちろん、一部、金銭管理ができていない場合は、管理をすることがありますが、基本はすべて生活保護受給者自身が管理します。

よって、生活保護受給者が振り込まれた住宅扶助を使い込んで、滞納するということもあります。なので、大家さんからクレームが来ることもありますが、それはあくまで、生活保護受給者と大家さんとの問題、民事不介入なので、できることは限られています。

よって、生活保護だから、取りぱっぐれが無いというのは、早とちりです。

 

生保向け不動産投資はハイリスクハイリターン?

いかがでしたか?リスクが案外多くて、ちょっと及び腰になった人もいるのではないでしょうか?とはいえ、生保向け不動産投資は、人口減少で高齢化が進む地方においては、魅力的な不動産マーケットなのではないでしょうか?

なので、生保向け不動産投資は楽勝と思わずに、しっかりリスクを見据えたうえで、行うことが重要でしょう。

実際、生活保護向けアパートで稼いでいる大家さんも数名知っています。しかし、みなさん、しっかり生活保護制度を勉強されて、福祉についても造詣が深い人が多いですね。

なので、生半可な気持ちで生活保護に近づくのは、危ないですよ、ということです。

 

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