ケースワーカーをしていると、ほぼ100%の確率で生活保護受給者からのお怒りの連絡があります。
ただでさえストレスの多い仕事であるケースワーカーなのだから、生活保護受給者から怒られると、さらにストレスフルになってしまいます。
「ケースワーカーだけど、怒られるなんて嫌!」
では、ケースワーカーとして生活保護受給者から怒られるリスクを減らすためにはどうすればいいでしょうか?
そこで、今回は怒られやすいケースワーカーの特徴をまとめました。
怒られる原因を無くしていくことが、怒られないケースワーカーへの近道です。
そのうえで、怒られないために必要な対策もまとめましたので、あわせてご覧ください。
怒られやすいケースワーカーの特徴6つ
①対応が遅いケースワーカー
生活保護受給者は生活に余裕がないため、普通の人に比べて切迫感が強いです。
このため対応が遅いと怒られるリスクは非常に高くなります。
実際、一時扶助として支給する通院の移送費の支給が遅れたため怒鳴りこまれたケースワーカーを知っています。
迅速対応は、ケースワーカーに限らずサービス業に従事する人は重要なことです。
ダラダラと仕事を先送りしているケースワーカーは生活保護受給者はもちろん、直属の上司であるスーパーバイザーからも怒られるのでご注意ください。
②一切連絡がないケースワーカー
生活保護受給者も同じ人間です。
それゆえ何も連絡がないと、自分自身が軽視されているような不安感を覚えてしまいます。
すぐには対応できない、すぐには応答できないことも多々あると思いますが、その場合でも小まめに連絡を取ることが重要です。
連絡がないと、生活保護受給者は「もしかして忘れられている?」というネガティブな気持ちを抱いてしまいます。
連絡がない日が続くと、最終的には「何で一切連絡がないんだ!!」というクレームに変わります。
連絡を取り合うことで生活保護受給者との関係づくりもできますので、つながりを保つためにも連絡はしましょう。
③高圧的なケースワーカー
ケースワーカーは非常に強い権限を持っています。
確かに生活保護法に基づいて事務処理をしますが、広い裁量権をもっており、指導の方法もケースワーカーで違います。
新規採用1年目に関わらず、ため口で高圧的に生活保護受給者に接する職員も存在します。
高齢の生活保護受給者からすれば、若造に偉そうに言われて気分がいいものではありません。
高圧的な対応は、威圧的な反動を受けることになります。
基本は同じ目線で対応する、いわゆる市民目線の対応が重要です。
ときには毅然とした態度で臨む必要もありますが、普段から高圧的な感じを出すのはケースワーク上も得策ではありませんね。
④声が小さいケースワーカー
高齢者が多いため小さい声は聞こえづらいという問題があります。
ぼそぼそ小さい声で話していると、耳が遠い高齢者は怒り出す人もいます。
なので、適切な声量で話すということが必要であり、耳が遠い高齢者の場合は多少は大きな声では話すのが良いでしょう。
声が小さいことで、大事な伝達事項も伝わらない場合もあります。
怒鳴り声を出す必要もありますが、小さすぎる声は高齢者の生活保護受給者であるほど、いらいらさせるので注意しましょう。
⑤早口のケースワーカー
小さいな声も高齢者の生活保護受給者をイライラさせますが、同時に早口のケースワーカーも怒られることがあります。
一方的にペラペラとしゃべることで、聞き取れないということがあります。
なので、小さな声で早口の場合は、高い確率で生活保護受給者に怒られます。
やはり相手が理解しやすように、大切な所はゆっくりと説明するのが適正でしょう。
もちろん普段から早口の人もいますが、仕事中はあえて意識してゆっくり話すことで怒られるリスクを低くすることにつながりますね。
⑥わかりやすく説明をしないケースワーカー
「課税調査」「収入申告」「一時扶助」といった専門用語は、生活保護受給者はわかりません。
説明する際も専門用語ばかり並べられてもピンとこないでしょうし、逆に誤解を与える可能性があります。
「何を言っているかわからん!」と怒られてしまっては、説明する前に謝罪をしなければならなくなります。
結局は相手がわかりやすい話にかみくだく工夫が必要です。
わかりやすい説明は、ややこしい話よりも数倍、相手への理解につながりますし、ストレスの軽減につながります。
専門用語を使い過ぎると、距離を相手に感じさせてしまいますので、平易な言葉で生活保護受給者と向き合いましょう。
ケースワーカーが怒られないための対策3つ
①連絡を取り合って誤解を生まないようにする
怒られることの原因の一つが、コミュニケーション不足です。
普段から連絡を取り合っていれば問題ありませんが、100世帯以上抱えているケースワーカーにとって無理ですよね。
そこで、電話がつながる場合は、少しでもいいので連絡をする。
「最近お変わりありませんか?困った事はありませんか?」
ちょっとした声掛けは、怒られるリスクを減らすための「保険」みたいなものです。
頻繁に連絡をする必要がありませんので、5分でも良いので電話連絡するのは効果的です。
②わかりやすく丁寧に説明する
丁寧でわかりやすい説明というのは、行政に携わる人間なら当然の義務です。
制度はややこしく、一般人はわかりづらいものも少なくありません。
そこで、難解な制度を咀嚼して伝える姿勢は、生活保護受給者の信頼感を育みます。
「そんな説明は受けていない!」と怒られるリスクを減らすためにも、しっかりと説明をしてあげましょう。
③すぐに着手して迅速に処理する
先輩ケースワーカーから
「説明はゆっくりと、処理は迅速に」
という言葉を教わりました。
申請書を受け取ったら、すぐにチェックして誤りがあれば、すぐに連絡をして訂正を求める。
少ない生活保護費でやりくりをしているので、保護費の支給は早いほど助かる場合がほとんです。
保護費の支給はケースワーカーの専決ではなく、係長、課長まで合議が必要な場合あります。
そのため、決裁に時間がかかることも見越して、早目に処理をすることが重要ですよ。
【まとめ】ケースワーカーは怒られてナンボ!気にせず仕事しましょ。
ケースワーカーは本当にストレスの多い職場です。
鳴りやまない電話、喚き散らかす生活保護受給者、時には暴力・傷害事件に発展することもあります。
今回は生活保護受給者に怒られない方法について考えましたが、いくら対策をいても怒られるときは怒られます。
身も蓋もないですが、ケースワーカーは怒られる宿命なのです。
だからこそ、怒られても気にしない「鈍感力」が求められるのかもしれません。
怒られてしまうことを恐れていては仕事はできません。
場合によっては、生活保護受給者に対して厳しく指導をしなくてはいけない場面もあります。
なので、怒られても、聞き流すくらいの気持ちの方がラクですよ。
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ケースワーカーの仕事自体はやり方を一度覚えれば、ラクな職場です。
住民対応の多い地方公務員の中でも、ハードな職場と思われがちですが、実は穴場といわれるぐらい「ゆるい」職場だったりします。