地方公務員をしていると、意外と20代のうちにマイホームを建てる人が一定数居ることに驚きます。
公務員ならご存知のように20代なんて薄給でマイホームを建てる余裕なんて無いはずですよね。
しかし、現実にマイホームを建てている20代の若手公務員が存在します。
では、なぜ20代の地方公務員はマイホームを建てることができたのでしょうか?
20代公務員の給与はものすごく薄給
公務員というと、お金持ちというイメージを抱いている人もいますが、それは公務員の給与事情を知らなさすぎです。
公務員の給与は、基本的に年功序列であり、勤続年数が長くなるほど、給与は高くなります。
その証拠に、総務省が毎年公表している「地方公務員給与実態調査結果」によれば、一般行政職で、大卒でも初任給の給与基準は18万円台が大半です。
高卒に至っては、初任給の給与基準が14万円台もいますので、公務員は恵まれているというわけではありません。
では、なぜ地方公務員は給与が低いうちからマイホームを建てるのでしょうか?
20代の地方公務員がマイホームを建てられた理由
20代の地方公務員がマイホームを建てられた理由は以下の3つです。
・地方公務員は将来の見通しが立ちやすいから
・地方公務員は地元の金融機関にとって優良顧客だから
・地方公務員にとってマイホームを持つことはステータスだから
などが挙げられます。では、一つひとつ解説していきます。
【理由1】 地方公務員は将来の見通しが立ちやすいから
マイホームを建てることができた理由は、公務員は将来の見通しが立てやすいからです。
先ほど触れたように、公務員の給与は若手公務員ほど低いのですが、裏を返せば、年功序列と勤続年数に比例して給与は上がっていきます。
もちろん、20代でマイホームを建てた公務員に理由を聞くと、「結婚したから」「子供ができたから」という答えが返ってきます。
しかし、これらは、あくまでも将来の見通しが立っているからこそ、結婚もできて、子供をもうけ、マイホームを建てるという決断ができるのです。
このように、給与や待遇面の見通しの良さが、薄給でもマイホームを建てることができているわけですね。
【理由2】 地方公務員は地元の金融機関にとって優良顧客だから
住宅ローンは地方銀行にとっては主力商品の一つであり、借りてくれる顧客は非常に重要です。
地方経済は疲弊していますが、それでも安定して借りてくれるのが、地方公務員です。
それゆえ、地元の金融機関が住宅ローンを優遇して貸してくれることも20代地方公務員のマイホーム取得を後押ししています。
実際、地方銀行の中には、公務員専用のローンを提供しているところもあります。
これらはフリーローンですが、公になっていないものの、裏メニュー的に公務員向けのローン制度は存在しているようです。
これもある意味、公務員優遇であり、お金が借りやすいというブランド力のなせる技と言えますね。
地元の金融機関、地方銀行や信用金庫はこぞって、頭金が貯まっていない20代の若手公務員にフルローンを貸付けることで、長期的に利息収入を得るわけです。
【理由3】地方公務員にとってマイホームを持つことはステータスだから
地方公務員として働く人は、往々にして地元が好きです。
だから、国家公務員ではなく、地方公務員を目指したという人は多く、地元愛が強いほど、県庁ではなく、市町村役場に就職します。
そして、地方ではまだまだ、マイホームを持つということは社会的ステータスにつながります。
それも若くしてマイホームを持つということは、公務員というブランドに加えて、さらに箔が付きます。
そして、マイホームを建てることは、公務員の人事にも影響します。
というのは、公務員を採用する人事にとって、最も恐れているのが退職するリスクなのです。
せっかく採用して、スキルを教えたのに退職して人材が流出するのは避けたいところです。
それゆえ、マイホームを建てて、地に足のついた職員は退職リスクも低いと考えて昇進に差をつけているところもあるそうです。
【まとめ】地方でマイホームを建てるならば公務員が最適かも
地方の民間企業は、ほとんど厳しく、サービス残業や昇給もままならないという所がほとんどです。
地方で生きていくといくためには、やはり厳しく、それなりに安定を求めるならば公務員になるのが最適でしょう。
特に生まれ育ったら土地でマイホームを建てたいと思うならば、なおさら、地方公務員という選択肢は有力といえます。
とはいえ、公務員であれば、毎月28,000円(最大)の住宅手当が毎月支給されます。
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もちろん、マイホームを建てると住宅手当は支給されなくなるというデメリットはあります。
マイホームを建てて、社会的なステータスを高めるか?それとも賃貸で経済的メリットを享受するか?悩ましいところですね。
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地方でマイホームを建てるということは、当然リスクも伴います。
人口減少の地方で家を建てる「影」の部分についてもクローズアップしました。