なぜ立憲民主党と国民民主党は合併できないのか?原因は共産党と原発?

 

現在の日本の政治は、自民党一強時代が続いていますが、強い与党を事実上「延命」させているのは、弱すぎる野党の存在です。

野党がバラバラに小粒である限り、選挙では与党には勝てないわけですので、野党が連携していく(野党共闘)が重要となります。

そんな野党共闘をさらに深めていくために、政党を一つに合併することは有効な方法です。

特に野党の中心を担っていく存在となるのが、今回のテーマである「立憲民主党」と「国民民主党」です。

 

日本の野党が政権与党に勝つためには、立憲民主党と国民民主党の合流は必要不可欠ですが、なかなか合流には至りません。

もともと同じルールの政党なのですが、なぜ合流できないのでしょうか?

 

そこで、今回は

・立憲民主党とはどんな政党?

・国民民主党とはどんな政党?

・なぜ立憲民主党と国民民主党は合流できない?

 

というポイントで解説します。

 

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立憲民主党とはどんな政党?(政策や支持団体)

 

立憲民主党も国民民主党も、もとは1つの政党だった民主党(民進党)だったのですが、「希望の党」との合流騒動があり、分裂してしまいました。

結果として、希望の党に入党できなかった、民進党の左派(リベラル)が立ち上げたのが立憲民主党となります。

 

そんな立憲民主党の支持団体は「自治労」「日教組」「JP労組」といった官公労を中心に支持しています。

 

言い換えれば、かつての総評(日本労働組合総評議会)系の労働組合が支持しているといえます。

 

立憲民主党の支持労組(カッコ内は組合員数)

・自治労(79万人)・JP労組(24万人)

・日教組(23万人)

・情報労連(20万人)

・私鉄総連(11万人)

このように、官公労中心に支持しており、所属議員もかつての日本社会党系の議員が多いという点が、立憲民主党の特徴といえます。

 

 

・立憲民主党の政治スタンスは「リベラル」

・支持労組は官公労(自治労・日教組・JP労組等)が中心

・旧社会党系の議員が多く所属

 

 

国民民主党とはどんな政党?(政策や支持団体)

 

旧民進党の立憲民主党との片割れの一つである国民民主党ですが、他の野党に比べて埋没してる感は否めません。

しかし、支持組織である労働組合のもつ集票力は一定健在です。

 

国民民主党の支持労組(カッコ内は組合員数)

・UAゼンセン(168万人)

・自動車総連(77万人)

・電機連合(58万人)

・JAM(36万人)

・電力総連(21万人)

 

国民民主党は民間企業中心の労組が支持しており、換言すれば、かつての同盟系の労組が支持しています。

出身議員も、民社党の議員が多く所属しているという点も特徴です。

 

民社党というのは、野党とはいえ、自民党以上に保守色が強い政党といわれ、その政治スタンスは、現在の国民民主党にも引き継がれています。

よって、国民民主党は、左派政党である共産党とは、政治スタンスの相性は最悪です。

 

・国民民主党の政治スタンスは「保守」

・支持労組は民間労組(UAゼンセン・自動車総連・電力総連)が中心

・旧社会党系の議員が多く所属

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なぜ立憲民主党と国民民主党は合流できないのか?

 

立憲民主党と国民民主党が合流できない理由はいくつありますが、特に大きい違いというのが、

 

・日本共産党との距離感

・原発政策の違い

 

【理由1】日本共産党との距離感

現在の立憲民主党を中心とした野党の選挙戦略は「野党共闘」の名のもとに、共産党と選挙協力をしています。

しかし、共産党に対して強い拒否感というか、アレルギーをもっているのが、国民民主党の議員です。

というのは、もともと国民民主党の前身は、希望の党です。

 

希望の党の代表は、保守系の小池百合子知事でしたし、中心人物である前原誠司議員や自民党に移籍した細野豪志議員も、政治スタンスは保守です。

このように国民民主党は、政治スタンスは保守であることはポイントです。

 

また、前述の通り、国民民主党は、旧民社党系の議員も多く、共産党に強い抵抗感を持つ議員は多いです。

そんな保守系の政党であった希望の党に入れなかった民進党の議員が作ったのが、立憲民主党です。

 

立憲民主党は、政治スタンスはリベラル系の議員も多いですので、リベラル中のリベラル政党である共産党の選挙協力も行えるわけです。

後述しますが、立憲民主党は、脱原発や再生可能エネルギーの活用といった点は、共産党の政策に近いところもあります。

 

しかし、保守系の国民民主党からすれば、左派中の左派である共産党となんか手を組めないわけですね。

 

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【理由2】原発政策の違い

 

合流ができない理由は原発政策の違いです。

 

まず、立憲民主党の原発政策をみてみます。

 

立憲民主党>基本政策>エネルギー・環境、災害・震災復興

原発ゼロを一日も早く実現するため、原発ゼロ基本法を制定します。
原発の新増設(建設中、計画中を含む)は中止します。
原発の40年廃炉原則を徹底し、急迫かつ真の必要性が認められず、国の責任ある避難計画が策定されないままの原発再稼働は認めません。

 

この原発ゼロ基本法の骨子をみてみます。

 

原発ゼロ基本法案とは? – 立憲民主党

すべての原発を速やかに停止し、法施行後5年以内に廃炉を決定する
・原発の再稼働はせず、新増設・リプレースは認めない
・使用済み核燃料再処理・核燃料サイクル事業は中止する
・放射性廃棄物・プルトニウムの管理と処分を徹底する
・原発から省エネルギー・再エネルギーへとシフトする

 

このように、立憲民主党は原発ゼロ基本法からわかるように、明確に脱原発を明確にしています

 

一方で国民民主党の原発政策のスタンスをみてみます。

 

エネルギー – 国民民主党 政策INDEX 2019

スマート・コミュニティの拡大を進める中で、あらゆる政策資源を投入し、2030年代を目標として、できるだけ早期に原子力に依存しない社会(原発ゼロ社会)を実現します。この目標に向けて、新技術の開発、人材の育成に最大限注力し、現実的な工程表の作成に早急に着手の上、エネルギー・ミックスのあり方を可及的速やかに提示していきます。

 

原発ゼロ社会を目指すと書いていますが、あくまでも『できるだけ早期に原子力に依存しない社会(原発ゼロ社会)を実現します。』と書いています。

 

国民民主党の原発ゼロ社会とは、原発をゼロにするというわけではなく、原発に依存しないとしている点がポイントです。

 

 

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では、なぜ国民民主党は脱原発といえないかというと、国民民主党の支持組織に理由があります。

 

国民民主党の支持組織は、民間労組が中心であり、UAゼンセンや自動車総連とならんで、電力会社の労働組合である「電力総連(全国電力関連産業労働組合総連合)」が国民民主党に強い影響力を持っています。

 

 

実際、電力総連から「浜野喜史」「小林 正夫」の2人の組織内議員(参議院議員)を送り込んでいます。

 

そんな電力総連の原発のスタンスは、原発の推進です。

 

原子力政策大綱の決定にあたって (2005.10.14)

現在の1割にも満たないエネルギー自給率を高め、国際情勢に左右されにく
い強靭なエネルギー供給構造を構築するためにも、安全と安心を最優先とした
原子力発電の推進と国内完結型の核燃料サイクルの確立を目指す。

 

 

一方で、立憲民主党の有力支持労組である自治労は、明確に原発反対の脱原発です。

 

原発にとどめを刺すのは 私たちの運動だ | 自治労

引き続き自治労は、脱原発の推進に取り組んでいく。

 

原発にとどめ!と言っているぐらい脱原発への意気込みが凄いです。

このように立憲民主党と国民民主党ともに、有力労組の原発への向き合い方が全く異なるわけです。

 

同じ労働組合とはいえ、原発へのスタンスが異なるため、政党も合流は難しいというわけです。

 

 

【まとめ】立憲民主党と国民民主党との合流は無理?

 

立憲民主党も国民民主党も、結局ルーツは旧民主党(民進党)で同じだろ、と思う人も多いかもしれませんが、

そもそも、旧民主党自体が、左派の社会党から右派の民社党を多く抱えた「ごった煮」政党だったわけです。

 

また、政党を支持する労組もいまでは「連合」という全国組織が支持母体となっていますが、実態は左派系の旧総評と右派系の旧同盟では、政治スタンスに大きな隔たりがあります

 

なので、立憲民主党と国民民主党が合流するというのは、そんな簡単ではありません。

とはいえ、本当に自民党に対抗しうる勢力になろうと思えば野党が一つになるしかないもの事実です。

 

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