会計年度任用職員が2020年から始まりますが、制度導入に反対する声も当然あります。
そこで、今回は会計年度任用職員制度の問題点について、まとめました!
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会計年度任用職員って何?という方は下記の記事をご覧ください。
会計年度任用職員制度の問題点は?
問題点1 任用期間が「有期」
「来年は任用されない「雇い止め」になったらどうしょう・・」
会計年度任用職員は、名前のとおり「会計年度」で任用されます。
会計年度とは、具体的に4月1日から3月31日までの1年間ですので、基本は1年間の任用ということになりますね。
もちろん、会計年度任用職員は、再任を妨げないとあるのですが、それでも1年単位の任用は雇用が不安定になりますよね。
雇用の安定化という点でみれば、会計年度任用職員は問題があるといえます。
問題点2 正規職員と待遇面の格差
「正規と同じ時間働いているのに、給与が低いのは不公平!」
フルタイムの会計年度任用職員職員は勤務時間は正規職員と同じ時間で勤務するのですが、基本的に給与面では正規職員の方が高いです。
また、パートタイムの会計年度任用職員の場合は、勤務時間がそもそも短いので月給が低くなります。これに加えてパートタイムの会計年度任用職員は、勤務時間が短いために、共済組合に加入できません。
よって、パートタイムの会計年度任用職員の社会保険は協会けんぽということになります。
同じ職種で勤務時間も同じなのに、給料や手当といった処遇面が、会計年度任用職員の導入で一定改善されたとはいえ、まだまだ正規職員との間で格差があるといえます。
問題点3 自治体財政の負担増
「自治体の台所事情は火の車なのに、期末手当を出す余裕はないよ・・」
会計年度任用職員制度になることで、これまで支給されなかった期末手当が支給できるようになります。
期末手当が支給されるということは、もちろん公務員の人件費増になりますので、自治体財政を圧迫することは間違いありません。
もちろん、地方自治体の首長で構成される地方6団体(全国知事会・全国市長会・全国町村会・全国都道府県議会議長会・全国市議会議長会・全国町村議会議長会)は、国の財政支援を要望しています。
また自治体の財政負担が増えるのは、支払う給与だけでなく、会計年度任用職員の導入にかかるシステム導入コストです。
実際ほとんどの自治体において、会計年度任用職員の導入にかかるシステム改修を急ピッチで進めています。このシステム改修も莫大な費用がかかるので、自治体の財政課は頭を抱えています。
会計年度任用職員を処遇改善にするために、国が地方交付税措置といった財源確保をする必要がありますね。
会計年度任用職員の問題点を解決するには?
会計年度任用職員制度の導入自体は、これまで曖昧だった非正規公務員の処遇を一定改善させる方向で動いているのは評価できると思います。
とはいえ、もともとが非正規公務員の処遇は低すぎた、いわゆる「官製ワーキングプア」のレベルだったものが、普通に近づいただけです。
それでも、今回指摘した有期の任用期間や、正規職員との待遇面の格差といった問題点、また自治体財政を圧迫するといった課題もあります。
国のがしっかりと財源保障をする
問題が多い会計年度任用職員制度ですが、課題解決の一つの方法は、国が積極的に、地方自治体への財政的支援を行うことです。
会計年度任用職員の導入目的が、非正規公務員の処遇改善というならば、しっかり財源についても国が責任を持って保障するのが筋でしょう。
しっかりと財源保障をしなければ、会計年度任用職員の処遇改善とはつながりませんし、地方自治体の財政状況を考えれば、国の財源保障はやむなしといえます。
もちろん、国の財政も厳しいのは周知の事実ですが、財政事情を理由に会計年度任用職員の給与を上げないというのは、理由になりません。
組合交渉を通じて処遇改善の活動を継続する
公務員も労働者のひとりですので、処遇改善は組合交渉を通じて行われるものです。
もちろん、組合交渉をしたところで、議会で否決されてしまえば、処遇改善とはなりませんが、それでも現場の声を届けるという意味では、交渉は意義があるといえます。
処遇改善を図るうえで、まずは現場が声をあげて、その声を首長や議会がしっかりと国に要望するという、ボトムアップ型の政策実現が重要といえます。
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公務員の処遇改善を図るならば、やはり組合交渉が重要といえます。交渉無くして職員の処遇改善無し、ですからね。
会計年度任用職員のパートタイム職員は副業ができるというメリットもあります。