公務員が飲酒運転を犯す背景にある地方の飲み会事情とは?懲戒免職にならないことも?

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今回のテーマは、地方公務員ならもはや職務の延長線上といっても過言ではない、公務員とお酒の関係です。そんなお酒の関係で、最も公務員が犯してはならないものが、「飲酒運転」です。

ご存知の通り、公務員が飲酒運転で検挙されれば、ほぼ間違いなく懲戒免職となることが多く、公務員なら絶対にしてはいけません!

しかしながら、時々、地方公務員が飲酒運転をして検挙される事件が定期的に発生して、マスコミに大きく報道されます。なぜ、公務員は懲戒免職という最悪のリスクを背負ってまで、飲酒運転をしてしまうのでしょうか?

そこで、今回は地方公務員が飲酒運転を犯してしまう背景にある、地方の飲み会事情について解説したいと思います。

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地方公務員が飲酒運転したら懲戒免職になる

まずは、全国的な飲酒運転の動向を調べてみると、警察庁の調べでは、平成30年時点で飲酒運転による交通事故件数は3,355件となっています。そのうち、死亡者数は198件です。

 

みんなで守る「飲酒運転を絶対にしない、させない」|警察庁Webサイト

 平成30年中の飲酒運転による交通事故件数は、3,355件で、前年と比べて減少(前年比-227件、-6.3%)し、そのうち、死亡事故件数は、198件で、こちらも前年と比べて減少(前年比-6件、-2.9%)しました。

 

 

確かに事故件数は、これまでの飲酒運転の撲滅に向けた啓発活動や飲酒運転の厳罰化が背景にありますが、それでも根絶していないのが現状です。

そんな中、地方公務員が飲酒運転をして逮捕された場合、民間サラリーマン以上にマスコミが注目します。

そして、公務員が飲酒運転をした場合は、懲戒免職となる確率が極めて高いです。

 

天童市、男性技師を懲戒免職

山形県天童市は31日、酒気帯び運転で検挙された、市上下水道事業所上下水道課の男性技師(29)を懲戒免職の処分に、管理責任として同事業所の50代男性課長を文書訓告とした。

市によると、男性技師は4月20日午前1時ごろ、天童市内の飲食店3軒で飲酒後、帰宅するため運転代行車を頼もうと電話したがつながらないため、自ら運転。運転中に県警警察官に停車を命じられ、道交法違反(酒気帯び運転)で検挙された。

市では31日、分限懲戒処分審査会(会長・新関茂副市長)を開き、公務員が酒気帯びで検挙されるという社会的影響が大きい点から総合的に判断し、懲戒免職処分にしたとしている。

 

住民に飲酒運転をしないことを呼び掛けている立場上、罰則はどうしても、厳しくならざるを得ないんですよね。

一方で飲酒運転での懲戒免職が覆された判例も

地方公務員法では、禁固刑以上になると地方公務員は自動的に失職しますが、飲酒運転で懲戒免職は厳しすぎるという意見があり、厳罰緩和の動きがあります。

 

「刑を軽く」飲酒運転の職員に町長らが嘆願書…町民から非難殺到、裁判の結末は

香川県三木町の男性係長(39)が飲酒運転で事故を起こし、道交法違反(酒気帯び運転)の罪に問われた高松地裁での裁判が、にわかに世間の注目を集めた。町長をはじめ職員ら約120人が減刑を求める嘆願書を弁護士を通じ、地裁に提出したためだ。

 

また、裁判において、飲酒運転の懲戒免職が覆された事例もあります。有名な判例は、熊本県の県教員の判例です。

 

また、公務員の飲酒運転について論文があったので、参考に掲載しておきますね。

公務員による無事故飲酒運転と懲戒処分 鈴木 隆

しかし、公務員が飲酒運転をして検挙される場合といっても一様ではなく、とりわけ、無事故飲酒運転により検挙された公務員が懲戒免職処分を不服として争った訴訟において、最近、懲戒権の逸脱、濫用であるとして懲戒免職処分を無効であるとする判決が相次いで出されている

ただし、無事故飲酒運転した公務員に対する懲戒免職処分がこの間の一連の裁判例において覆されていることから明らかなように、飲酒運転したことのみで懲戒免職処分とするのは、いささか非違行為と懲戒処分との釣り合いを逸しているということができる。

 

なので、飲酒運転をしていて無事故の場合でも、一律懲戒免職は厳しすぎるということで、裁判で覆された判例もあります。なので、基本的に飲酒運転はしてはいけませんが、裁判で争ったことで、懲戒免職、失職を回避することもできた判例もあります。

 

でも、なぜ地方公務員は飲酒運転をしてしまうのでしょうか。その背景には、地方の事情が少なからず影響しています。

 

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地方公務員が飲酒運転をしてしまう理由

地方公務員は飲み会の機会が多い

地方公務員というのは、本当に飲み会の機会が多いです。吉幾三の歌じゃないですが、やたら「集い」があるわけです。ぱっと思いつくだけでも、以下のような飲み会があります。

 

<役所内の飲み会>

・歓送迎会
・忘年会
・新年会
・組合の旗開き
・慰労会
・係の飲み会
・課の飲み会
・部局の飲み会
・庁内の部活の飲み会

 

<地域の飲み会>

・行政と地域の懇談会
・町内会の総会
・出荷祝い(収穫祭)
・地域の忘年会
・地域の新年会
・消防団の飲み会
・民生委員の飲み会

 

これで、町内会や民生委員の担当部署に配属になったら、毎週飲み会、飲み会はしごなんて、普通にあります。地域の飲み会は、「総会」と名ばかりで、実際は飲み会ということも少なくありません。

地方公務員は、結局どれだけ、庁内外に人脈が持てるかという所が強みですので、飲み会には、業務上も出席せざるを得ないわけですね。

 

地方は公共交通機関が乏しい

東京や大阪といった都市部ならば、公共交通機関が多くありますが、地方にいけばいくほど、公共交通機関が無いことも多いです。バスがあっても、最終便が5時とかザラですし。

そんな中、地域の飲み会が10時に終わっても、帰宅する手段はタクシー、もしくは代行で帰るしかないわけですね。

 

飲まなきゃいいじゃん。だったら車で帰れるし

 

このように考える人もいますが、そもそも飲めるか飲めないかで、地域の印象も変わりますし、やはり高齢者の方々は、同じお酒を酌み交わすという体験を共有することが、人間関係が円滑になると信じている人は多いです。

なので、飲まないという選択肢はなく、飲んだら、必然的にタクシーで帰らないといけないんですね。

 

じゃあ、タクシーで帰ればいいじゃん

そうなんです。しかしながら、ここにも悩ましいところがあるわけです。

 

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帰りのタクシー代は自己負担

ここで誤解している人も多いので、書いておくと自治体によっては食糧費という名目で地域との飲み会については、予算を確保している場合もありますが、大半の自治体は財政難や市民からの厳しい視線もあって、飲み会は職員の自己負担です。

しかし、職務の延長線上のような感じで行くのですが、時間外手当は支給されません

薄給の若手公務員であれば、多少は上司や先輩が補助してくれるかもしれませんが、そのような補助が無ければ、なかなか経済的には厳しいところがあります。

それでいて、山奥の町内会(だいたいが公民館)で行われた飲み会の帰りをタクシーで帰れば、タクシー代だけで5,000円がかかることもあるわけですね。

市長や副市長といった幹部は、送迎担当がいるのですが、ただのヒラ公務員はその点はすべて自分で段取り、負担をしないといけないわけですね。

そこで、地方公務員は、経済的負担を少しでも減らしたいと考えて、飲酒運転という犯罪を起こしてしまうわけですね。

公務員は地域の飲み会に出席するのを禁止にしたら?

地方公務員は、別に好きで飲酒運転をしているわけではありませんが、半分職務の延長線上で、山間部の公民館で開催される飲み会に、自己負担で出席させられている場合もあります。

職務じゃないのに、自己負担で時間外手当ももらえずサービス残業という実態が少なからずあるのではないでしょうか。

そこで、私は原則的に、地域のそのような懇親会に一般の地方公務員は参加させないという方法が良いと思います。もしくは、時間内に行われる総会のみ(もちろん飲食無し)に参加するという方法です。

もちろん職務上は、飲み会を通じてつながりを深くするという方法も良いのですが、飲み会の席はトラブルも起きやすいですし、飲み会以外の方法に移行する時期なのではないでしょうか。

とはいえ、日本の地方は、都市部の人ではわからないほどの「ムラ意識」が残っているので、飲み会に出席しないというのは、ほぼ無理かもしれませんが・・・

 

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