国内に多くのスマホ決済が乱立していますが、情勢がはっきりしてきました。現状では、楽天が運営するスマホ決済「楽天pay」が国内トップクラスに躍り出たようです。
ITC総研が実施したアンケート調査によると、スマートフォンを使ったコード決済サービスで最も利用者が多いのは「楽天ペイ」で、2位は「PayPay」、3位は「LINE Pay」だった。PayPayは2018年12月に実施した「100億円あげちゃうキャンペーン」で話題を集めたこと、LINE Payは「LINE」との連携で多くの登録者を獲得したことが利用者数増につながったという。
しかし、私の予想ではいずれ、ペイペイが国内スマホ決済サービスのトップになると思います。その理由を、楽天payの強みを踏まえたうえで、説明したいと思います。
楽天ペイが国内トップのスマホ決済になった理由
ペイペイが国内トップのスマホ決済となる理由を説明する前に、なぜ、楽天payが国内トップになったのか考えたいと思います。
その理由としては、「先行者利益」「楽天スーパーポイント」の2点だと思います。
理由(1)先行者利益
まず「先行者利益」ですが、楽天payがリリースされたのが、今から約3年前の2016年10月27日です。ペイペイがリリースされたのが、2018年10月5日でしたので、これだけでも先行者利益があったといえます。
ある程度、利用者を先行して囲い込むことができるというところが、先行者利益のメリットですので、楽天payがペイペイを上回る会員数もある程度必然です。
しかし、先行者利益だけでいえば、LINEペイのリリースが2014年12月16日であり、楽天payよりも2年も早いですが、結果としては国内3位です。
なので、単純に先行者利益だけではなく、楽天payがリードできたのは、楽天が誇る最強のマーケティングツールである「楽天スーパーポイント」です。
理由(2)楽天スーパーポイント
楽天市場や楽天カードをはじめとした楽天のサービスを使うことで、楽天スーパーポイントを多くもらえることができることから、一般消費者を楽天グループで囲い込むことができます。
例えば、楽天payは、200円で1ポイントが貯まるのですが、楽天カードでチャージして使えば、さらに楽天カードのポイントが100円につき1ポイント貯まります。
楽天pay(200円で1ポイント)+ 楽天カード(100円で1ポイント) =200円で3ポイント(≒1.5%の還元率) |
ポイントを多く貯まると思えば、消費者は楽天カードでなく、ポイント2重取りを狙って楽天payを利用するわけですね。
さらに、貯まった楽天スーパーポイントを、楽天payとして使うことができて無駄がありませんし、当然楽天payを使えば、さらにポイントが貯まります。
しかも、楽天payは期間限定の楽天スーパーポイントも使えるということです。個人的にはこれが楽天payが国内トップになった最大の理由だと思います。
中途半端に残った期間限定の楽天スーパーポイントを、無駄なく使えることができるので、やむなくポイントが失効するということが防げます。
このように、楽天payには楽天スーパーポイント(特に期間限定ポイント)という、強力な顧客をひきつける磁力があるため、会員数を増やすことができたと思います。
そんな先行者利益と楽天スーパーポイントによる顧客囲い込みがでリードしている楽天payですが、ペイペイは十分追い抜く可能性があります。
ペイペイが楽天payを追い越せる理由
ペイペイの親会社「ソフトバンク」と「ヤフー」の資金力
ペイペイの強みは何といっても、その親会社であるソフトバンクとヤフーの強大な資金力です。その力の凄さを見せつけられたのが、100億円あげちゃうキャンペーンであることは言うまでもありません。
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このキャンペーンの結果として、スマホ決済サービスでは後発組のペイペイでも、国内第2位になっております。よって、今後も第2、第3のバラマキキャンペーンを行うことで、さらに会員数を増やすことは予想されます。
期間固定Tポイントがペイペイに変わる
まだ認知度が弱いと思いますが、Yahoo!ショッピングの各種キャンペーンでもらえる期間固定Tポイントが、2019年4月からペイペイに変更されます。
また、ソフトバンクユーザーの長期継続特典もペイペイに置き換わります。
期間固定Tポイントが、ペイペイに置き換わるということは、ほぼ強制的にペイペイアカウントを持つ必要があります。
ということは、ソフトバンクユーザー(ワイモバイル会員含む)だけでも全国に約4000万人、Yahoo!プレミアム会員は1773万人(※ID数)ですので、約5000万人がいっきにペイペイ会員になる余地があるのです。
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とはいえ、期間固定Tポイントがペイペイに置き換われば、泣く泣く失効してしまう期間固定ポイントも無駄なく使うことができるので、消費者にもメリットがありますね。
先ほどの楽天payの利便性も、限られたショップでしか使えなかった期間限定ポイントが、リアル店舗でも使えるという点でしたので、期間固定Tポイントからペイペイの移行は非常に消費者としては歓迎してよいと思います。
いかがでしたか?スマホ決済は、もはや多すぎて一般消費者は困惑している状態です。とはいえ、いずれ主要ブランドだけが生き残り、残りは廃止もしくは吸収される未来は明らかです。
一般消費者としては、最もお得なスマホ決済を選んでいくフットワークの軽さが求められるでしょう。
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個人的にはファミペイは失敗に終わるような予感がしますし、そもそもコンビニ各社が独自スマホ決済を持つメリットをあまり感じないんですよね。