労働組合に加入はしていても、無党派の私ですが、今回のテーマは地方公務員と日本共産党の関係です。
実は、地方公務員には一定数ですが、日本共産党員がいることをご存知でしょうか?特に革新勢力が強い自治体、たとえば、大阪市、京都市、奈良市といったところは一定数存在します。
しかしながら、ルール上は共産党員は地方公務員になることはできません。とはいえ、これから、地方公務員になりたい日本共産党員も存在していると思いますので、書きたいと思います。
地方公務員法によれば、共産党員は公務員になれない?
ここで、地方公務員法16条を読んでみたいと思います。地方公務員法16条には、地方公務員になることができない、いわゆる欠格条項が定められています。
(欠格条項)
第一六条 次の各号の一に該当する者は、条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない。
一 成年被後見人又は被保佐人
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
三 当該地方公共団体において懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
四 人事委員会又は公平委員会の委員の職にあつて、第五章に規定する罪を犯し刑に処せられた者
五 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
この中で、注目するところは、「日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者」という点ですね。
この「政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体」は何を指すのか、という点ですが、具体的には破防法(破壊活動防止法)の対象であるかというところです。
ここで破防法に関係している官庁である公安調査庁が見解を示しています。
共産党は,武装闘争を唯一とする戦術を自己批判しましたが,革命の形態が平和的になるか非平和的になるかは敵の出方によるとする「いわゆる敵の出方論」を採用し,暴力革命の可能性を否定することなく(注2),現在に至っています。
こうしたことに鑑み,当庁は,共産党を破壊活動防止法に基づく調査対象団体としています。
公安調査庁は、日本共産党を現在も、破防法に基づく調査対象団体としているようです。
ということは、破防法の対象団体である日本共産党に所属している日本共産党員は、地方公務員法16条では、欠格条項に該当することから、アウト、ということになります。
共産党員が地方公務員になる唯一の方法と注意点
では、ここで湧いてくる疑問は、地方公務員法16条的にはアウトのはずが、日本共産党員がなぜ一定数存在するのでしょうか?
しかも、共産党系の公務員は自治労連(日本自治体労働組合総連合)という全国組織も結成しておりますので、もはや、共産党員の地方公務員は既成事実化しているといっても過言ではありません。
私の周りにも、数名の共産党員に職員がいますので、別に特段、特殊なことといえないようです。
既成事実化しているからこそ、日本共産党員だからといって、地方公務員となることは諦めてはいけません。
では、具体的に日本共産党員が公務員になる方法はどうするか?
正解は、みんなと同じように試験勉強をして、合格するということです。
身も蓋もないことですが、これが真実です、が、一つ気を付けることがあります。
それは、面接のときに、堂々と自分自身が日本共産党であることを宣言しないことです。
日本共産党員であることに誇りを持つことは立派なことですが、こんなことを面接官に言えば、一発でアウトです。さようならです。間違いなく地方公務員16条を理由に落とされます。
なので、自分が共産党員であることをあえて隠しておくのです。それだけです。
共産党員であることは秘密にしておく方が良い?
ここで見事、公務員試験に合格して、公務員になれたとしても、口外をしない方がやはりいいと思います。
公務員の中にもやっぱり、共産党アレルギーを持っている人も多いですし、住民からあらぬ誤解を与える可能性もあります。
それに最近は、共産党を目の敵にする保守系の議員も存在するので、変に敵を作らないようにするためにも、不用意なことはいわない。沈黙は金ですよ。
家族に共産党員や共産党支持者がいても大丈夫
心配性な人は、自分の家族、祖父母が共産党支持者、共産党員だったら、それが影響して公務員になれないという不安を抱く人もいますが、それも面接のときに言わなければ問題ありません。
また、面接のときに、面接官もわざわざ「あなたの支持政党は何ですか?」なんて、絶対に聞きません。
共産党は破防法の対象ですが、それ以上に憲法で保障される思想信条の自由がありますので、それを聞くこと自体が問題となります。
共産党員ならば労働組合に加入しよう
共産党員として公務員に入ったら、個人的におすすめしたいのが、労働組合の加入です。
というのも、労働組合にはリベラルな人々も多く、共産党や社会党に理解を示す人も多いですし、孤軍奮闘するよりも、組織の一員となることが自分の身を守ることになるので、おすすめですよ。
とはいえ、共産党員ならば、おそらく、党の方針として自治労連に加入することになると思いますが、自治体によっては、立憲民主党系の自治労のみの場合もあるでしょうが、加入しておくと良いでしょうね。
共産党の公務員となれば、やはり政治にもそれなりに関心があると思うので、あえて、組合の執行役員となって、出世を目指すのも面白いかもしれません。
実際、大阪市や京都市といった革新自治体では、逆に左派系の職員が出世しやすい状況があったようですしね。
また、公務員でも一定の範囲内で、政治活動、選挙活動ができます。政治活動は、共産党員ならば、好きでたまらないのではないでしょうか?