自治労共済は、日本最大の公務員の労働組合が運営する共済であり、割安な掛け捨て保険以上に、目玉商品とされているのが、今回のテーマである貯蓄性に優れて、高い返戻率を誇る長期共済です。
返戻率は、驚きの123%であり、これは高い水準の返戻率ですよね。
ちなみに、私は現役の公務員であり、同時に自治労の組合員なのですが、タイトルの通り、貯蓄のために自治労共済はおすすめはできません。
なぜ、おすすめできないのか?確かに、自治労共済のほかの貯蓄性の保険と比較すれば有利かもしれません。
返戻率は123%を超えており、他の貯蓄性保険と比較すれば、確かにお得ですよね。でも、返戻率120%なんて、年利換算にすれば、1%ちょっとです。
未だに自治労共済で貯蓄をしている。老後に備えている人も一定数いると思いますので、そんな公務員の方々の目を覚ますために、この記事を書きました。
実は0.5%以下の低利率の自治労共済
自治労共済の貯蓄性商品である、長期共済がお得だといわれています。
実際、自治労の専従組合員のおばちゃんは、この長期共済は「今の低金利では非常にお得ですよ!」という触れ込みで勧誘します。
しかし、金利は大したことありません。
40年間、毎月3,000円を掛金とした場合、1,440,000円の累計掛金となるわけで、解約返戻金は、1,781,000円となります。
返戻率を計算すると、1,781,000円÷1,440,000円×100=123.6%であり、保険としては非常に優秀ですね。
また、1,781,000円-1,440,000円=341,000円の増となりますね。率に換算すると、341,000円÷1,781,000円=19,1%増えていることになりますが、19.1%を40年で割ると、年間利回りはたった0,47%程度です。しょぼいですね。
関連記事
今の政権は、物価2%上昇を目指しているようなので、仮に物価が毎年2%増えた場合、先ほどの0.47%は逆に損してしまうことになります。
1%程度の利回りを求めるならば、ノーリスクで手堅く増やすことができる、公務員限定の投資商品である共済貯金が最適ということになりますね。平均でも1%以上はあります。
関連記事
自治労共済だけでなく、学資保険も無駄
自治労共済は、他の貯蓄性保険と比較すれば、確かに有利です。有利な貯蓄性保険として有名な、学資保険と比較すれば一目瞭然です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ソニー生命:学資保険スクエア:返戻率 約110.3%
フコク生命:みらいのつばさ(ジャンプ型):返戻率 約101.9%
日本生命:ニッセイ学資保険:返戻率 約101.7%
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
引用元:学資保険 おすすめの比較と評価ランキング【2017年最新の人気商品から選んでみました】 | takaの保険節約術 – お勧め保険を徹底的に比較するサイト
自治労共済:長期共済:返戻率 約123.6%
繰り返しになりますが、返戻率に騙されてはいけません。たとえ、123%以上の返戻率だったとしても、年利でも最低2%は求めたいところですが、貯蓄性保険で、年利2%以上の保険はほぼありません。
そもそも、保険は、貯蓄性と保障性の2つの性格をもっているわけです。保障性を持っている以上、その分のコストがあるわけですから、貯蓄性が劣るわけです。
ここで、結論です。「貯蓄は保険でしてはいけない。貯蓄と保証は分けるべき」なのです。
保険は、資産運用としては、個人的に最悪の手法だと考えます。保険で貯蓄をしようというマインド自体が間違っています。
どうしても、保険で貯蓄をしたいならば、保障に特化した個人年金保険をするべきでしょう。それならば、所得控除もあるため、有利だといえます。
とはいえ、保険で貯蓄は非常にコストが高くて、私はしません。無駄です。保険ということは、保険会社に一定のマージンを取られていると考えるべきです。なので、保障だけに特化商品を選んで、貯蓄をするべきです。
自治労共済の長期共済は解約しちゃおう
自治労共済の文句ばかり書きましたが、医療保障であるセット共済はお得だと思います。
私自身も加入しております。終身保険ではない、定期保険で掛け捨てであることから、割安な保険料なんですよね。
保険は、やはり掛け捨て型の方がお得だと思いますし、保障と貯蓄の分離は、資産運用の元手を作るうえでも必須条件でしょう。
医療保障がお得な自治労共済ですが、貯蓄、老後対策用の長期共済は別です。解約した方が得策でしょう。それで浮いたお金を、投資で回す、積み立て投資に振り分ける方が結果として貯蓄を増やします。
自分に合った医療保険を調べようと思ったら、なかなか骨が折れる作業となります。
私自身は、あっさりファイナンシャルプランナーに相談して保険を選びました。無料相談だったので、ノーコストだったこともあり、非常に有益でした。
しつこい営業や割高な保険を売りつけられることもないので、安心です。
資産運用をするためには、節約をして、少しでも可処分所得を増やして投資に振り分けることが大切です。貯蓄については、過去の記事で書きましたが、やはり天引きで自然と貯まっていく仕組みを構築する方がよいでしょう。
関連記事
また、貯蓄性と節税の両方のメリットを享受できる確定拠出年金は、やらない方が損といえる商品ですので、おすすめします。
関連記事
返戻率に騙されて、低利率商品に投資するなんて、あまりにもったいないです。自治労にはお世話になっていますが、自治労共済の長期共済は本当におすすめしません。
返戻率は満期になったら返金されるものですが、掛金の一部が戻る割戻率というものがあります。以下の記事では、自治労共済だけでなく、全労済、県民共済の3つを比較しています。