懲戒免職は違法!公務員が副業しても懲戒免職にならなかった神戸地裁の判決が画期的

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宝塚市はかつて、副業が流行した時期がありました。不動産投資で7,000万円稼いだ副課長、そして今回の主役である農産物販売ビジネスと水道工事会社の2社を経営して、これまた同じく7,000万円を稼いでいた消防士がいました。

 

そのうち、農産物ビジネスで成功していた消防士については、詐欺行為をしたり、職務に知り得た情報を漏洩し、または利用したのでない、全く違法性が無いにもかかわらず、懲戒免職という非常に重い処分が下されました。

 

しかし、神戸地裁において、懲戒免職処分が「違法」と認定されたことをご存じですか?

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宝塚市の消防士の手がけたビジネス

ちなみにその消防士が行っていたのは以下の2つのビジネスです。

 

(1)農産物販売組合を設立して、組合トップの組合長に就任。農産物を飲食店だけでなく、インターネット販売も行い、大手スーパーとの取引も開始した。

 

(2)給水装置工事主任技術者の国家資格を取得して、水道工事を請け負う会社を立ち上げ、事実上経営していた。
もはや、公務員としておくのがもったいないぐらいの類い希なき商才を発揮しており、その結果、年間7,000万円を超える売り上げをたたき出していました。

 

しかし、その副業の事実がひょんなところから流出して、結果、懲戒免職処分となりました。つまり、クビです。

判決の概要

 

消防士はこの処分をを不服として、宝塚市を訴えたところ、神戸地裁は懲戒免職とする処分は重すぎるとして、処分の取り消しを命じました。

 

判決のなかで、副業で多額の利益を得たとも、職務を怠ったとも認められない、と指摘しています。

神戸新聞NEXT|社会|副業で懲戒免職「重すぎ」 宝塚市に取り消し命令

判決で、倉地裁判長は「公務員が営利企業を営むのは、住民に与える不信感は小さくない」と指摘。一方、組合の売上高は登録農家に分配していたため、「多額の利益を得たとは認められず、勤務時間中に組合の業務をしていた証拠もない」とした。

 

 また、勤務時間にパソコンで商談をし、年間約7千万円の収入を得た同市の別の職員が、停職6カ月の懲戒処分にとどまった例を挙げ、「免職とすれば均衡を失う」と判断。「職を失わせるのは指針を逸脱している」と違法性を認めた。

 

ちなみに、冒頭で紹介した不動産投資で年間7,000万円の利益を上げていた副課長は停職6ヶ月処分としていたこともあり、それと比べて不公平ということも違法とした理由の一つでした。
やはり、副業を理由に免職とするのは、人事権の範疇を逸脱していたようです。
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公務員の副業解禁は時代の流れ

この神戸地裁の判決は、公務員副業を解禁を考えるうえで、一石を投じる画期的な判決だと思います。
裁判長も判決のなかで、多額の利益を得たとも、職務を怠ったとも認められない、と指摘していることから、やはり、本業に支障が出ない範囲の副業は、認められて然るべきだと思います。
今後も働き方改革の推進の中で公務員の副業禁止規定の緩和、撤廃となる流れが少しずつですが広がっていく可能性があります。当然、その背景には現在日本を取り巻く厳しい財政状況では避けられない、公務員給与のカット、公務員待遇の切り下げがあるのは間違いありません。
財政再建には公務員の身を切る改革が必要であり、給与カットの補填として副業を認めるのは有効な方法ではないでしょうか。
公務員にも民間感覚、経営感覚というのであれば、副業禁止を原則とする現在のルールを改正して、職務に支障が出ない範囲で公務員の副業を認めて行くことが必要だと思います。