高知県庁の人事課の公務員の副業に対する見解が厳しすぎる!時代遅れじゃね?

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まだ記憶に残っている人もいると思いますが、高知県庁の職員が同人誌を販売していたのがバレて処分を受けたという事件がありました。

 

本ブログでも、この事件について紹介しました。

 

この事件は、全国的にも賛否両論があったため、報道した高知新聞が、続報として処分をした高知県庁の人事課の見解について報道していました。

 

 

そこで、今回は公務員の副業に否定的な高知県庁の人事課の見解を受けて、私の意見を述べたいと思います。

 

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高知県の人事課の公務員の副業に対する見解が厳しすぎる

 

高知県人事課の見解は、あくまでも原則論の終始していました。

 

 担当部署の県人事課に聞いてみると、「まず大前提として、公務員は副業で副収入を得ては駄目なんです」とぴしゃり。「(取引相手に)便宜を図っているとみられる可能性があるので」とする。

 

確かに、公務員は「職務専念義務」という大前提があるので、副業で副収入を得るということは許されません。

しかし、今回の事件でいえば、同人誌販売が、便宜を図っている行為とみなすのは大いに疑問があります。

報道ベースでみると、同人誌の販売と職務が直結しているとは到底思えません。

 

同人誌のケースでは、ネット上に「7年半で175万円なら活動費を考えると赤字」との声もあるが、「販売の継続性と反復性、利益を上げている点などから客観的に見て営利活動と考えられる。ネット通販の活用も判断材料になった」(県教委)という。

 

あくまでも公務員の副業で処分するか否かは、ケースバイケースで判断すべきだと思いますが、本件についても、営利どころか赤字ですが、高知県庁の人事課は営利活動と判断し、処分しました。

 

高知新聞の記者は、イベント等の単発で報酬を得た場合についても、副業としてみなすのか?という質問をしたところ、以下のような回答でした。

 

 県人事課は「依頼を受けて参加した単発のイベントは考慮の余地がある」とし、「常態化しているかどうかが判断のポイント。収益の出る定期演奏会などは副業と捉えられる」と指摘した。

 

収益の出る演奏会だったとしても、イベントを通じて地域振興につながる側面があるので、それを副業として処分するのは、やり過ぎだと思います。

ちなみに、高知県庁の人事課は、例外的に許可を出すケースも示していますが、本当にごく僅かです。

 

一方、公務員には申請すれば副業の許可が出る例外的なケースもないわけではない。具体的には、遺産相続で賃貸し駐車場を引き継いだ▽人を雇用した営農を親から継いだ▽絵本を出版するが利益は寄付に回す―などで、県の知事部局は2018年度に7件を許可したという。

 

絵本を出して利益を寄付に回すというのが条件という時点では、めちゃくちゃだなぁという感じです。

実際に、公務員でも書籍を販売している方は全国にたくさんいますし、印税を得ている人もいるでしょう。

しかも、高知県庁の職員はおそらく数千名にも及ぶと思いますが、10件にも達していないのは残念ですね。

高知県庁の見解は、基本的に報酬や収益が少しでもあれば、副業とみなして許可しない、バレたら処分するという立場が明らかになりました。

 

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むしろ、高知県庁は、同人誌を販売していた職員を、コンテンツ振興の関する部署に配置して、その知見を活かすポジションに起用した方が得策だったのではないでしょうか。

 

そもそも公務員の副業を禁止する規定は無い

 

誤解している人もいますが、公務員は職務専念義務という原則はあるものの、別に公務員は副業はできないわけではありません。

公務員でも、職務に支障がなく、任命権者の許可を得て、本業の利害関係者と癒着するといった利益相反行為をしなければ、社会通念上の範囲内で報酬を得ることもできるのです。

 

国家公務員の兼業について (概要) – 内閣官房

 

公務員=副業は絶対禁止というマインドであれば、条件反射的に公務員が副業をしたら処分されてしまうと考えがちですが、そこに本業との利益相反や著しい職務専念義務違反があった場合です。

繰り返しになりますが、公務員が黙って同人誌を売ったことが、果たして処分に相当するのでしょうか。

 

自治体は公務員の副業を奨励すべし

 

高知県庁のように公務員の副業に後ろ向きな自治体がある一方で、生駒市や神戸市といった一部の自治体では、公務員の公益的な副業を奨励する取り組みを行っています。

 

 

それに地方公務員の助言を行っている総務省自身も、公務員の副業を推奨しています。

役所だけにとどまらず、地域のコーディネーターや担い手としての役割を大きく期待しているわけです。

 

 

これからの公務員は、民営化や業務委託、AIやデジタル化の中で役割は大きく変わっていきます。

これまでのような役所という閉鎖空間にいるのではなく、積極的に地域やマーケットに飛び出す公務員が新しいモデルとなります。

だからこそ、むしろ、自治体は公務員の副業を委縮させるような処分をするのではなく、奨励すべきだと思います。

 

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財政難の自治体と運命を共にしたいですか?

 

個人的には、これからの公務員はもっと副業をして、もっと民間のビジネス感覚や経営マインドを身に着けていくことは、必ず自治体にとっても有益になると思います。

今後、財政難になり給与カットされても、別に任意団体や、NPO法人や一般社団法人で活動をして収入を得ることが自己防衛にも役立ちます。

「副業はするな、だけど、給与カットは受け入れろ」

こんな無茶苦茶なことが、果たして通用するのでしょうか。

 

ちなみに、調べていくと高知県の県庁所在地である高知市は、深刻な財政難となっているようです。

高知市予算60億円不足 市長「事業抑制必要」コロナ影響 来年度

高知市の岡﨑誠也市長は13日開いた記者会見で、新型コロナウイルス感染症に伴う税収減により、現時点の試算で2021年度の当初予算は約60億円の財源不足となる見通しを示した。対応策として、基金の取り崩しだけでなく、「投資的事業は一定の割合をカットすることになる」と述べた。

高知市財政課によると、2021年度の市税収入は、コロナ禍による企業業績の悪化で法人税や住民税などの落ち込みが予想され、2020年度当初予算ベース(450億)より約28億円の減収見通しだという。

 

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今後、コロナウイルスの経済対策が一服すれば、待っているのは、コロナ増税ですが、国民の理解を得るためには、その前に、公務員の身を切る改革が行われます。

公務員の給与カットや定数削減は覚悟しなくてはいけません。

 

しかし、副業すると処分されることを恐れて、何もしないというのは、沈みゆく船と心中することと同じように感じます。

自治体間競争の時代といわれている昨今ですが、これからは、公務員もサバイバルの時代に突入していきます。

やる気のある公務員だけが生き残るという時代の中で、副業をすることは当たり前と感じるのは私だけでしょうか。

 

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公務員の副業については、まとめ記事を書いているので、参考にどうぞ。

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