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公務員の組合専従って何しているの?給料は?メリットやデメリットは?

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「すまないけど、来年度から組合の専従になってくれないか?」

 

突然、労働組合の委員長から専従の打診があったとき、あなたならどうしますか?ぶっちゃけ、戸惑いますよね。

 

とはいえ、最近の労働組合は役員のなり手不足であることから、あなたも、ひょんなことから組合の専従になる可能性があるのです。

 

そこで、組合専従になるかもしれない人、もしくは将来は組合専従でバリバリ活動したいという人のために、そもそも、組合専従って何しているの?という素朴な疑問から、組合専従のメリットとデメリットを解説したいと思います。

 

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組合専従って何しているの?

 

組合専従というのは、普段の公務員が支払っている組合費で組合活動を「専任」して「従事」している人です。

 

主な業務は、やはり労働組合ですので、賃金交渉や、職員定数交渉といった人事課との交渉ごととなります。

 

特に、公務員給与に大きく影響する人事院勧告が国から示されたときの賃金交渉は、労働組合の専従は非常に忙しくなるシーズンとなります。

 

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また、労働組合は年間通じて、総会、執行役員会といった会議が多く、これら会議の資料作成や進行というのも、専従の仕事です。

 

やたら会議が多いのは、労働組合というのは、あくまで組合であって、組合員の総意に基づくものという性格があるからです。

会議に限らず、研修が多いのも組合の特徴であり、その準備も専従が行います。

 

また、労働組合は自治労系であれば、自治労県本部や連合といった各種労働組合との調整もあります。(逆に自治労連系であれば、共産党系の団体とお付きあいが発生します。)

 

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その他には、労働組合は職員間の親睦を深めるという役割もあるので、各種レクリエーションの企画運営を行います。

 

これは、労働組合が持つ政治的な役割を薄めて、組合に対するイメージを良くする面もあります。

 

また、組合選出の議員を出馬する際は、チラシ配りといった選挙活動を行います。ちなみに公務員も一定の選挙活動ができることから、労働組合の一丸となって選挙活動をするわけですね。

 

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小まとめ

・専従は交渉の準備を行う。
・各種会議、研修の準備を行う。
・各種労働団体、労働組合との調整をする。
・組織内候補の選挙活動を行う

 

 

組合専従に何人いるの?どうやったらなれるの?

 

大阪市のような大きな自治体であれば、専従の組合員が数名が存在しますし、一方で小さい自治体ではそもそも組合費がそんなに集まらないので、専従がいない、いても1人だけという場合もあります。

 

私の自治体では専従職員は4名ですので、普通の水準という感じですね。

 

専従職員は、主に労働組合の委員長、副委員長、書記長、書記次長のいわゆる4ポストの人がなる場合が多く、皆さん当然、もともとは役所の職員です。

 

 

次に、組合専従になる方法ですが、実際、組合専従になるキャリアプランって明かされていないのですが、なる方法は、ずばり、組合専従や幹部の指名です。

 

なので、この記事の冒頭にあるように、唐突に委員長に呼び出されて、オファーされる場合があります。

 

もちろん断ることもできますが、逆に自分から立候補してもなれないのが組合専従の特徴です。

 

 

専従の給与は、その自治体の給与水準と同じ

 

専従職員の給与は、その自治体の給与規定に準じたものとなっていますので、もともとの給与水準は保障されるわけですね。

 

なので、県庁の労組であれば、県の給料表に基づいた給料がもらえるということなんですね。もちろん、これらの給与は組合費から支出されています。

 

組合専従の任期は5年以内

 

組合専従の任期は、地方公務員法55条の2において、5年以内ということになっています。

 

(職員団体のための職員の行為の制限)
第五五条の二 職員は、職員団体の業務にもつぱら従事することができない。ただし、任命権者の許可を受けて、登録を受けた職員団体の役員としてもつぱら従事する場合は、この限りでない。
2 前項ただし書の許可は、任命権者が相当と認める場合に与えることができるものとし、これを与える場合においては、任命権者は、その許可の有効期間を定めるものとする。
3 第一項ただし書の規定により登録を受けた職員団体の役員として専ら従事する期間は、職員としての在職期間を通じて五年(地方公営企業等の労働関係に関する法律(昭和二十七年法律第二百八十九号)第六条第一項ただし書(同法附則第五項において準用する場合を含む。)の規定により労働組合の業務に専ら従事したことがある職員については、五年からその専ら従事した期間を控除した期間)を超えることができない。

 

ただし、自治体によっては、7年以下の範囲内で地方公共団体の規則に基づいて、専従になることができます。

 

なお、7年を過ぎても組合専従になると、地方公務員法に違反して分限免職の対象になります。実際、神戸市でヤミ専従が問題になりました。

 

神戸新聞NEXT|総合|神戸市交通局も組合違法専従 退職金を過払い
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神戸市交通局は23日、同局職員でつくる神戸交通労働組合の元役員1人に対し、法定上限(7年)を超える7年5カ月の専従を許可し、退職金の算定では休職扱いとなる専従期間を7年とし減額を少なくしていたと発表した。退職金の過払い分約45万円は返還を求める。

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地方公務員法によると、職員が組合活動に当たる際は、職務専念義務の免除申請が必要となるが、15年度以降の本部役員5人の手続き状況や出勤記録を調べたところ、3人について計39件の手続き漏れが確認された。

 

 

組合専従のメリット

比較的自由に仕事ができる

 

専従は交渉事や会議のとき、大きなイベントの時は忙しいですが、普段は、比較的自由な環境です。比較的ぶらぶらしても、怒られないし、新聞を読んでいても誰にも注意されません。

 

良くも悪くも、人事課の目が届きにくいということですね。

 

なので、自由に動けるので、各職場や分会に出入りして、庁内人脈を広げて、職場の課題を拾い上げる努力もできるわけですね。

 

 

人事課と顔なじみになれるので、出世できる(かも)

 

出世についてに、過去の記事で解説していますが、自治体によっては人事課とべったり協調路線の労働組合もあります。いわゆる、御用組合ですね。

 

なので、今後出世を考えて、上層部に顔を売るならば、案外労働組合の専従というのは、キャリアアップとしては有効です。

 

実際に、私の自治体では歴代の組合委員長が、課長以上のポストに就いていたので、やはり組合との人事課というのは、協調しているんだなぁと感じました。

 

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専従手当が支給される

 

組合専従となったときは、委員長はもちろん、書記長、副委員長、書記次長、財政局長などなどの役職が付く場合が多く、その役職に応じて、手当が支給されます。

 

なお、支給額については、各単組の規約によって異なります。

 

例えば、自治労栃木県本部では、「自治労栃木県本部役員給与規則」において、役職手当を以下のように定めています。

 

(役職手当)
第3条 役員の役職手当として、執行委員長に給料の18%、副執行委員長に給料の15%、書記長に給料の15%、財政局長に給料の12%、書記次長に給料の12%、その他役員に給料の10%を支給し、時間外超過勤務手当は支給しない。

 

 

組合出張で県内外出張に行ける

 

労働組合の専従となれば、県内外を問わず、出張が多くなります。もちろん、出張旅費および行動費(という名のお小遣い)もすべて、組合負担となります。

 

全国に人脈を広げられるとともに、飛行機を使う場合は、マイルを貯めることもできます。

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これだけの知見を広げることができるのも、組合専従だからこそといえますね。

 

組合専従のデメリット

時間外手当が無い

 

ワークライフバランスを推進している労働組合だからこそ、基本的には定時に仕事が終わります。

 

とはいえ、時間内で終わらない業務や、時間外にしか行えない業務(執行役員の会議)などは、すべてサービス残業です。

 

逆にいえば、定時で帰ることができるので、アフター5を充実させたい人にとっては恵まれています。

 

 

休職扱いのため、退職金の算定期間から除外される

 

あくまで専従は、その役所においては「休職扱い」なので、その間は給与は支給されませんし、退職金の算定期間に算入されません

 

これが組合専従の一番のデメリットと思いますが、ご安心ください。その差額分はしっかり休業補償手当という形で支給されます。

 

先ほども紹介した「自治労栃木県本部役員給与規則」においても、しっかり定められています。

 

(休職専従手当)
第5条 休職専従者には、休職期間中の退職手当補てん分として、休職専従手当を支給する。休職専従手当の金額については、執行委員会が定める。

 

 

専従になれるチャンスがあれば挑戦しては?

 

組合専従は、よくも悪くも選ばれた人しかなれませんし、なかなかできない経験ができます。一職員では会えない有名人や国会議員と会えたり、一緒にお酒を酌み交わすこともできます。

 

また人脈も組織内外に広げることができます。やはり労働組合でも全国的なネットワークがある組織だと非常に有意義な経験ができると思います。

 

公務員という身分では、いろいろな制約がありますが、その範囲内で、普通の職員では味わうことができない体験をするのも、面白いかもしれません。

 

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